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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346745297/ ―――全国麻雀大会・インターハイ一日目――― ――清澄控え室―― 久「さーて、会場に着いたんだけど、のど渇いちゃった、ということで……」 久「須賀君、買出しに行ってきてちょうだい。」 優希「犬!ついでにタコスも買って来るんだじぇ!」 和「私の分の飲み物もお願いします。」 まこ「ついて早々買出しとはのう……わしは水でええわい。」 京太郎「了解、咲はどうする?」 咲「あ、京ちゃん私も一緒に行くよ。」 久「あら、咲は私たちと一緒に対策立てるためにお留守番よ?」 咲「……へ?」 京太郎「咲、気を使わなくてもいいんだぞ?俺一人でも大丈夫だし。」 咲「でも……」 和「宮永さん私たちには今やるべきことがあるんですよ?」 京太郎「そうそう、お前は大会に集中してろって、な?」 咲「うん……」 京太郎「じゃ、ちょっくら買出しに行ってきま~す。」 まこ「……で、京太郎を体よくこの場から離した理由はなんじゃ?」 久「さっすがまこ、気付いてたのね?」 久「実はここに来る間に気になることがあったの」 和「気になることですか?」 久「男子の個人に気になる名前があってね。」 まこ「ちょっとまて、なんでわしら女子に男子個人戦が関係あるんじゃ?」 久「もう、まこはせっかちね、それはこれから話すから聞いててちょうだい。」 久「で、気になる名前ってのが茨城の小鍛治って人よ。」 和「小鍛治って言ったら国内無敗と言われた小鍛治プロの小鍛治でしょうか?」 久「そう、そう多くはない苗字よね。」 久「そして下の名前が"京太郎"という名前。」 咲「え?京ちゃんと同じ名前なんですか?」 久「そうなのよ、面白い偶然だと思わない?」 まこ「たまたまじゃろうに……」 久「どうしても気になってね?」 ――同時刻・白糸台控え室―― 淡「きょーたろーのど渇いたー」 京太郎「へいへいわかりましたよお嬢様。」 京太郎「今から買出しに行きますけど先輩達は何かいります?」 照「オレンジジュース。」 尭深「ん、私はお茶があるから……」 誠子「スポーツドリンク頼むわー。」 菫「私の分も頼む適当でいい。」 京太郎「じゃあ早速行って来まーす」 菫「いつもすまないな。」 京太郎「いえいえ、気にしないで下さい。」 ――同時刻・宮守控え室―― 京太郎「荷物多い……重い……あと東京は遠い……」 トシ「すまないね京太郎、荷物まで運んでもらっちゃって。」 京太郎「なんのこれくらい……」 シロ「歩くのダルい……」 胡桃「シロは須賀君におぶって貰ってて歩いて無いでしょ!」 豊音「京太郎君大変そうだったよー。」 エイスリン「キョータロー、ダイジョウブ?」 京太郎「ダイジョウブ……」 胡桃「余り大丈夫じゃなさそう!?」 塞「シロ、いい加減京太郎君からおりてあげて……」 シロ「おりるのもダルい……」 京太郎「み……水……」 トシ「京太郎、これで全員の飲み物を買ってきておくれ。」 京太郎「じゃあいってきま~す」 シロ「掴ってるのもダルくなってきた……」 塞「……ってシロはなにナチュラルに京太郎君におぶさったままなの!?」 ――同時刻・実況席控え室―― 健夜「ごめんね、京太郎君、荷物持ってもらっちゃって。」 京太郎「ついでですから気にしないで下さい健夜さん。」 恒子「いやーすこやんにこんなイケメンな弟さんがいるとは……」 恒子「しかも茨城の男子個人の地区予選をトップ成績で通過してるとか。」 京太郎「いえいえ、たまたまそのときはバカヅキしてただけですって。」 京太郎「あと俺には優秀な先生がついていますから。」 恒子「初めて二人に会ったときは彼氏かと思うほど仲良かったから。」 恒子「一瞬『アラフォーに高校生の彼氏!?』って文言が浮かんじゃいましたよ!」 京太郎「健夜さんはアラサーですよ!」 健夜「何言わせてるの!?というか突っ込むところはそこ!?」 恒子「京太郎君とすこやんは息ぴったりだね。」 京太郎「福与アナもノリがいいですね。」 恒子「私の事は恒子でいいよ。」 京太郎「では失礼ながら恒子さんって呼ばせていただきます。」 恒子「もう、そんな堅苦しくなくていいよー?」 京太郎「いえいえ、目上の方に失礼なことは出来ませんよ。」 恒子「京太郎君ってば、かたーい!」 健夜「二人とも仲いいな……」 京太郎「そうだ、二人とものど渇きませんか?俺ちょっと買いに行ってきますけど。」 健夜「え、そんな悪いよ、京太郎君大会控えてるでしょ?」 京太郎「男子個人は始まるまでまだ日数あるから大丈夫ですよ。」 健夜「それでも練習とか対策とかあるんじゃ……」 京太郎「そこはあとで健夜さんに頼ります」(キリッ) 健夜「うふふ、そういうところは昔から変わらないんだから。」 恒子(こんな空気作られたら入って行き難いよ!) 恒子「じゃ、じゃあ私はお茶で!」 健夜「私もお茶で。」 京太郎「わかりました、では行って来ます。」 ――自販機前―― 京太郎(清澄)「えーとタコスとかは買ったから……」 京太郎(白糸台)「自販機の場所はっと……」 京太郎(宮守)「シロさん掴るならちゃんと掴ってください……」 シロ「……ん。」モゾモゾ 京太郎(小鍛治)「お茶二つと俺は何にしよう……」 京太郎(清澄)「ん?」 京太郎(白糸台)「お?」 京太郎(宮守)「あ」 京太郎(小鍛治)「……え」 京太郎「「「「あれ俺がいる?」」」」 シロ「ダルすぎて京太郎が増えて見える……」 ――さて、現状を説明しよう、今俺達は只ならぬ因縁を感じて 互いに自己紹介し、互いに今までの人生の経緯の情報を交換し合っている。 ここにいる『須賀京太郎』達は(一人は小鍛治の性を名乗っているが)元は1つ1つの分岐点から 分かれて行った者だと推察出来る。 そんなことを頭で整理しながら俺の人生紹介は終わった(清澄の京太郎) 京太郎(清澄)「っとこんな感じか。」 京太郎(白糸台)「長野の俺はそんな風に生きてきたのか……」 京太郎(小鍛治)「というか部員からの扱いがぞんざい過ぎないか!?」 京太郎(宮守)「俺もそんな感じの扱いはされてないぞ……」 シロ「まったくだな、京太郎の扱いがなってない……」 京太郎(宮守以外)(この人は一体なんなんだろう……) 京太郎(白糸台)「じゃあ、次は俺について話していくぞ。」 京太郎(白糸台)「あれは今から十年位前かな?そのとき親父の転勤が決まって――」 ――十年位前・長野―― 京太郎父「おーい、京太郎早くしろー。」 京太郎「ちょっとまってーぼくのおもちゃが見つからないのー」 京太郎母「まったくあの子ったら落ち着きが無いんだから……」 京太郎父「誰に似たんだろうなー」チラッ 京太郎母「あなたじゃないの?」 京太郎父「そんなことは無い、と思いたい……」 京太郎「みつかったー」 京太郎父「それじゃ出発するか、予定より10分遅れてるけど急ぐ訳でもないからいいか。」 ――東京―― 京太郎父「車だと結構遠く感じたな。」 京太郎母「途中渋滞に捕まったから余計に時間取られちゃったわね。」 京太郎父「とりあえずご近所さんに挨拶回りしておかないとな。」 京太郎母「ええと、お隣さんの苗字は…… 30ね。」 白糸台の人物安価(幼馴染+京太郎が白糸台に入る動機になる人物になります) 30 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage] 投稿日:2012/09/04(火) 17 54 58.87 ID 4BthoBZMo 宮永で 安価てるてる ――インターホンがなる、大人が二人と金髪少年のがいた、如何にも活発に動き回る少し落ち着 きが無い男の子だった。 京太郎母「お隣に引っ越してきた須賀と申します。」 京太郎母「お父さんかお母さんはいるかしら?」 照「……今はいないです。」 京太郎母「あら、そうなの親御さんには今度またいるときに挨拶しに来ますね~。」 京太郎母「ほら京太郎も挨拶なさい。」 京太郎「すがきょうたろうです、よろしくね!」 照「……こちらこそよろしくね。」 両親に連れられてきたその男の子は京太郎と名乗り、それから数日後、良く家に来るようになっ た。 「てるちゃん、あーそーぼ!」 男の子は周りに同年代の人間がいないからか、それとも母が仕事でいない私を慮ってか知らない が私に良く会いに来てくれた。 京太郎「きょうはなにしてあそぶ?」 照「えっと……麻雀って知ってる?」 京太郎「なにそれー?」 元々インドア派の私は日がな一日中一人で牌を弄くってた。 決して最近引っ越してきたから迷子になりやすいとかそういう理由でインドア派になったとかで は断じてない。 照「遊び方は私が教えるから、やってみない?」 京太郎「うん!」 ~~~ 京太郎「わっかんねー、すべてがわっかんねー!」 この男の子堪え性が無いのか直ぐに投げ出してしまった。 いや、そもそも小学に上がりたての子供に麻雀のルールを覚えろというのが土台無茶な話なのだ ろうか…… 照「少しずつ覚えていくしかないね。」 京太郎「それよりも、おそとであそぼーよー!」 照「外でなにするの?」 京太郎「えーと、サッカーとか野球とか?」 照「ボール遊びとか好きじゃない……」 男の子はうーんと悩みながら考えている。 京太郎「じゃあおままごとでもする?」 照「うん、それならいい。」 京太郎が夫役をする、私は奥さん役をする、至って普通のおままごとだ。 お互い夫婦ごっこの関係を満喫しつつおままごとにそろそろ飽きてきた頃、ふと自分の"家族"に ついて思い出した。 遠くに住んでいる父親と妹についてだ。 姉妹そろって両親から教わって覚えた麻雀。 覚えたての麻雀を上手く出来て両親から「才能がある」とおだてられ、得意気になっていた。 だがそれは妹も同じだった、いやそれ以上だった。 事実、妹は直ぐに得意気な私の鼻っ柱を叩き折ってくれた。 衝撃だった、妹は何をやらせても私に劣ると思っていたのに、私が好きな麻雀では負けないと思 っていたのに。 気付くと私は憤慨していたのだ、『私の方がお姉さんなのに』、『私の方が先に麻雀を始めたの に』、『私の方が麻雀を好きなのに』 そんな思いが私動かしてしまっていたのだ。 それから妹は私の顔を伺いながら、且つ子供ながらの大金の(お小遣い程度だが子供にしては大 金だ)を奪われないよう、±0を取り続けるようになった。 そんな歪な打牌に気付いたのか両親は私たち姉妹を引き離すようにしていったのだ…… そんことを思い出して感傷に浸ってしまっていた私は顔に出ていたのか、傍らにいた男の子に心 配を掛けさせてしまった。 京太郎「てるちゃんどっかいたいの?」 照「ううん、ちょっと家族のことを思い出してただけ。」 そして私は家族に関して男の子に語りだす。 京太郎「へーてるちゃんにいもうとがいたんだー」 照「うん、喧嘩別れしたみたいなもんだけどね。」 京太郎「じゃあいつか、あいにいってなかなおりしないとね!」 男の子の無邪気で屈託の無い笑顔が私の胸に突き刺さる。 果たして妹に会ったとして素直に謝れるのだろうか、妹は許してくれるのだろうか、そもそも会 わせてもらえるのだろうか。 そんな考えを逡巡させながら弱気な返事をしてしまった。 ――今から数年前―― 京太郎「それで照ちゃんは高校は何所に行くんだっけ?」 照「一応は白糸台に行くつもりだよ。」 京太郎「そっか~照ちゃんほど腕前なら白糸台に行くよな~、やっぱり目標は全国大会で優勝と か?」 照「当たり前」フフン 照「その時は京ちゃん応援よろしくね?」 京太郎「麗しのお姫様の為ならこの須賀京太郎喜んで馳せ参じます!」跪き 照「んふふ、何それ。」 そんなやり取りをしながら数年後、私はIHで優勝し、京ちゃんは白糸台高校を入学した。 照「京ちゃん無事入学おめでとう。」 京太郎「ありがとう、しかし結構ギリギリの入学でしたよ……」 照「わざわざ一芸入試で無理して入らなくてもよかったのに……」 京太郎「いいのいいの、照さんと同じ高校に同じように入学したかったんだから。」 照「え?なんで?」 京太郎「だって照さんどっか抜けてるとこあるし、ほっとけないんだよなー。」 照「そんなことはない、はず、たぶん、おそらく……」 京太郎「だって照さん、歩けば迷う、忘れ物をしてされに忘れ物を作る、料理すると大惨事」 照「うぐぐ」 京太郎「こんなお姉さんほったらかす方がおっかない」ケラケラ この青年は小さい頃からの付き合いで私の弱点や汚点を山ほど知っている。 このままでは上級生としての威厳が迷子になってしまうので上手く話を逸らす。 照「そういえば京ちゃん部活はどうするの?やっぱり麻雀部?」 京太郎「うん、わざわざ一芸入試にしてまで入学したんだし照さんと同じとこに入ってみようか なって」 照「じゃあ放課後麻雀部に案内するよ。」 京太郎「麻雀部に行くまでの間、迷子にならないといいなー」 照「流石に通いなれてる高校で迷子にならないよ!」 京太郎「では、よろしくお願いしますね、"照先輩"?」 照「うむ、先輩に任せなさい」 ――放課後―― ―私は今校内をうろうろしている、別に道が分からなくて迷っている訳ではない。 ただ京ちゃんのクラスを聞き忘れていて一年生教室を右往左往しているのだ。 照「京ちゃん、何所にいるんだろう……」ウロウロ 傍から見れば三年生が一年生教室の前をうろうろしているのだ、それなりに目立つ。 そうこうしているうちに一年生から声を掛けられた。 京太郎「照さん、なにうろうろしてるんですか?」 照「ひゃ!?」ビクン 突然かけられた声によって、変な声を出してしまう、これは恥ずかしかった。 照「あ、京ちゃん、もう、びっくりした……」 京太郎「あはは、すいません、照さんの後姿が見えたもんで、つい。」 照「もー!もー!」プンスカ 京太郎「そんなに怒らないで下さいよ、それより案内してくれるんですよね?麻雀部に。」 照「あ、そうだった、それじゃあ付いてきて、京ちゃん。」 京太郎「はいはい」 照「ここの高校は結構広いから慣れるまで迷っちゃうかもしれないからちゃんと付いて来るんだ よ?」 ちょっと先輩らしくお姉さんぶってみる。 しかしそんな気分は即座に上級生の威厳と共に壊されてしまう。 京太郎「その口ぶりからすると照さん、散々迷ったんだな……」 照「うぐ!?」 京太郎「……あー、やっぱり。」 照「迷ったっていっても、ほんのちょっとだけだよ……」フイッ 京太郎「……これは相当迷ってたな。」 そんなやり取りをしているうちに部室前に着く。 後輩たちが整列して私に向かって御辞儀しているのを見て、京ちゃんは面を食らっているようだ った。 京太郎「あの照さん、麻雀部っていつもこんな感じなの?」ボソボソ 照「大体いつも通り」 彼は落ち着かないのかしきりにそわそわしていた。 京太郎「うう、視線が痛い……」 それもそうかもしれない、仮にも白糸台のエースが何所の馬の骨とも知らぬ男と一緒にやってき たのだ、視線が集まらない訳が無い。 そんな彼にこれから一癖も二癖もある部員たちの目に晒される破目になることを予期して一言言 っておいた。 照「京ちゃん、頑張れ。」 京太郎「へ?」 彼が素っ頓狂な声を上げたあと、猛獣がひしめきあう檻の扉を開けた。 ――白糸台麻雀部部室―― うちの麻雀部では入部テストと称して振り分けを行う。 入部希望者は入部テストで力量を量り、何軍に入れるかが決まる。 隣で部長が入部希望者の振り分けをしている。 そろそろ彼の番だ、応援はしたいが一応身内だからといって彼一人を贔屓にするのは良くないの で心の中で応援する。 そんな気持ちが顔に出ていたのか隣にいた菫に声を掛けられた。 菫「なぁ、彼、えーと須賀京太郎と言ったか、照がいつも話題に出しているのは彼のことか?」 照「あー、うん、そう。」 菫「一応麻雀特待生として入ってきたんだ、それなりに期待して良いのだろう?」 照「その点は心配しなくていい、私が直々に教えてきたんだからな」フフン 菫「エースのお墨付きか、その腕前、とくと見せてもらおう」 菫「しかしなんでわざわざ白糸台に入ったのか……」 京太郎「よろしくお願いします。」 モブA子「よろしくお願いします。」 モブB子「よろしくお願いします。」 モブC子「よろしくお願いします。」 東一局目0本場 京太郎(配牌はそこまで悪くないな……) 京太郎(とりあえず様子見と行きますか……) 13順目 タンッ 京太郎(親と下家が張ったか……親の方は結構でかそうだし潰しておくか。) 京太郎(下家おそらくこっちだな……)タンッ モブC子「!ロン!2600!」 京太郎「はい」 モブA子(満貫潰された……) 東三局目0本場 京太郎(俺の親番か……配牌が酷いな。) 京太郎(でもまぁ何とかしますか。) 京太郎(とりあえずタンヤオあたりにでもしとくか?) 16順目 京太郎(俺以外全員張ったみたいだが……皆さんが欲しい牌は全部止めてるんだな、これが。) 京太郎(あと二順だから俺を止めとかないとまずいぜ?) 18順目 モブA子「聴牌」 モブB子「聴牌」 京太郎「ノーテン」 モブC子「聴牌」 京太郎「あ、すいません、流し満貫です。」 モブA子「うわーないわー」 モブB子「マジ……」 モブC子「はい点棒」 菫「…………」 オーラス 京太郎(これでオーラスか……二回流し満貫と差込二回で俺の持ち点は38500点か。) 京太郎(よし、このまま流しちゃおう!) 流局 モブA子「聴牌」 モブB子「ノーテン」 京太郎「ノーテン」 モブC子「ノーテン」 「「「「ありがとうございました」」」」 菫「なぁ照、1つ聞きたいんだが彼はいつもあんな打ち方なのか?」 照「きょ、京ちゃんは結構シャイなだけだから……」(震え声) 菫「対局者の手を全部止めたり流し満貫を二回もやるのがシャイというのか……」 照「京ちゃんはすごく気遣いが上手いからかな、人の欲しい物が分かるみたいで……」メソラシ 菫「実にいやらしい打ち手に育ったんだな……」 菫「まぁいい、どの道、須賀は一軍辺りに入れる予定だったし。」 照「え?そうなの?」 菫「うちは慢性的な男手不足だ、女子に比べて男子部員が余りに少ないからな。」 照「男子は麻雀で進学するなら他の高校に進学するね……」 菫「ああ、だから白糸台に来たのが不思議だった。」 照「それは"幼馴染の私"(←ココ重要)を追ってきたからだね!」 菫「彼も妙な女に引っかかったもんだな……」 菫(それに彼がいれば照の面倒を見なくて済みそうだからという理由もある。) 菫「ということで新たに入った部員だ、各自自己紹介を頼む。」 京太郎「一年の須賀京太郎です、よろしくお願いします!」 淡「一年の大星淡、よろしくー」 菫「若干言葉遣いが気になるが……まぁいい。」 菫「私は三年の麻雀部部長、弘世菫だ、よろしく」 誠子「二年の亦野誠子だ!よろしくなー!」 尭深「二年……渋谷尭深……よろしく……」 照「そしてオオトリ!三年!麻雀部のエース!みみゃながてる!よろしく!」 1 )) そんなこんなで楽しい事故(自己)紹介は終わった。 菫「えーと、須賀、だったな、いつも照から話を聞いてる。」 京太郎「あ、はい、あなたが菫さんですね、こちらこそいつも照さんからお話を聞かせてもらっ ています。」 菫「その、なんだ、多分"普段の"照のことは君に任せることになるだろうからよろしく頼むな。 」 京太郎「あー、はい、そういうことですか、分かりました、任せてください。」 「「お互い苦労しますね(するな)……」」 白糸台episode 『虎と猛獣使い』 ――現在・自販機前―― 京太郎(白糸台)「まぁこんな感じかな。」 京太郎(清澄)「あれ、白糸台の俺、優遇されてね?」 京太郎(小鍛治)「マジかよ……東京太郎リア充じゃねぇか……」 京太郎(白糸台)「何その略し方!?」 京太郎(宮守)「色んなタイプの女の人に囲まれててすげえな……」 京太郎(清澄)「幼馴染系お姉さんとかクールビューティなお姉さんとか眼鏡系無口お姉さんとか 頼れる姉貴とか生意気なかわいい同級生とか……」 京太郎(白糸台以外)「「「リア充爆発しろ!」」」 京太郎(白糸台)「お前らだって対して変わんねぇだろ!?」 京太郎(宮守)「いや、俺はなんとなくノリで。」 京太郎(清澄)「ほら、俺んところは年上は悪女系部長とわかめ系眼鏡だし……」(震え声) 京太郎(小鍛治)「俺はそもそも一回りくらい年上のお姉さん一択しか選択肢ないんだが。」 京太郎(白糸台)「…………なんかゴメン。」 京太郎(小鍛治)「謝るなよ!健夜さんめっちゃ良い人なんだぞ!?」 京太郎(小鍛治)「そりゃちょっと弄られ系で『アラフォー』とか『行かず後家』とか『干物女』 とか言われちゃってるけど俺の恩人なの!!」 京太郎(宮守)「一旦落ち着け。」 シロ「少し落ち着いて。」 京太郎(白糸台)「それでアラフォーお姉さんのところの俺はどんな人生だったんだ?」 京太郎(小鍛治)「アラサーだよ!」 京太郎(小鍛治)「……まぁとりあえず話を進めるか。」 京太郎(小鍛治)「俺も実は十年前東京に引っ越す時に人生が変わることが起きてな……」 ――実況席控え室―― 健夜「さーて、こーこちゃん打ち合わせ始めようか。」 恒子「……」 健夜「こーこちゃん?」 恒子「え?あ、すこやんどうしたの?」 健夜「いやだから打ち合わせを……」 恒子「うーん……」 健夜「なに?」 恒子「すこやんと京太郎君って姉弟の割りに似てないなーって」 健夜「…………」 恒子「それと京太郎君のすこやんの呼び方が姉弟っぽくないっていうか……」 健夜「……うん、そうだろうね。」 恒子「あ……もしかして地雷だったりする?」 健夜「ううん、別に隠すほどのことでもないし……」 健夜「まぁこーこちゃんになら話してもいいかな……」 健夜「実は京太郎君に出会ったのは十年前なの……」 ――十年位前・長野―― 京太郎父「京太郎忘れ物無いか?」 京太郎「あ、おもちゃ……」 京太郎父「引越しの荷物の中に紛れたんじゃないか?」 京太郎母「おもちゃくらい向こうで買ってあげるわよ。」 京太郎「うん、わかった」 ――車内―― 京太郎父「東京まで渋滞の情報は無いみたいだからすんなり行けそうだな。」 京太郎母「そうねぇ、向こうに着いたら荷解きしてそれからご近所周りに挨拶しないといけない わね。」 京太郎父「挨拶回り用の粗品とか用意しとかないとな。」 京太郎母「予定より早めに出たから向こうに着いたら私が買っておくわ。」 京太郎父「京太郎、向こうでたくさん友達が出来るといいな。」 京太郎「うん!いっぱいともだちつくるんだ!」 京太郎母「うふふ…………あら?」 京太郎父「どうした?」 京太郎母「あのトラック変な動きしてない?」 京太郎父「確かに……おい!!こっちに向かってきたぞ!?」 京太郎父「危ない!!」 京太郎母「京太郎!!」ガバッ 京太郎「え?」 オイ!ジコダ!ハヤクキュウキュウシャヲヨベ! ―――――――― ―――――― ―――― ―― 京太郎(小鍛治)「結論から言えば俺の両親は死んだ。」 京太郎(小鍛治)「白糸台の俺と照し合わせると忘れ物を取りに行けば俺の親は助かってたんだよ な……」 京太郎(小鍛治)「そしてそのあとに両親の葬儀が始まって――」 京太郎(小鍛治以外)「「「…………」」」 恒子「…………」 健夜「遠い親戚でもあり、生前すこしお世話になったことがある、京太郎君のご両親の葬儀で― ―」 京太郎・健夜「そこで健夜さん(京太郎君)と出合った。」 ――十年位前・葬式会場―― 「かわいそうになぁ……」 「相手の運転手は居眠り運転だったらしいわよ……」 フビンダナ…カワイソウニ… ――そんな囁き話が周りから聞こえてくる…… 如何にも同情してますって感じの会話だ。 私は一通り葬儀が終わり、落ち着いた会場で一人佇んでいた。 私の両親は何所かで他の親類と話しでもしているのだろうと思い、会場で待っていた。 そんな待っている間、一人の少年に目が留まる。 よく見るとずっと一人で座って、じっと遺影を見詰めている。 何故か放っておけない雰囲気がある少年に声を掛けた、掛けてしまっていた。 「ねえ、僕?お父さんやお母さんは?」 少年はスッと棺桶の方を指差していた。 しまったと思った、なんと無神経なことを聞いてしまったんだろうと後悔した。 よく考えてみれば回りに子供なんて目の前にいる少年しかいないのに。 カワイソウニというのは一人残された子供に対して言われてた言葉でもあることにそのとき気付いた。 私は次の言葉を出す為に、この子を慰める言葉を、この子を励ます言葉を必死に探していた。 「す、少しお姉さんと話をしようか?」 とりあえず何とか場を繋げようとか考えてみたが出てきた言葉がこれである。 自分の語彙の引き出しが乏しいのがこれほど恨めしいと思ったことはない。 戸惑いながら少年の返事を待っていると、その少年は微かにだが確かに頷いた。 「お姉さんの名前は小鍛治健夜。」 まず自己紹介をして相手に警戒心を抱かせないようにしないと思い、 自分が今年から高校生になるだの、好きな物はなんだの、とりあえず色々話しかけてみた。 そんな話(一方的ではあるが)をしていながらとあることに気付いた。 この子の目の下にははっきりとした隈が残っている。 眠れなかったのだろう、目の前で両親の死に行く様を、そんな衝撃的光景を見ていたのだろうか ら。 気付くと終始無表情であった少年を抱きしめていた。 何故いきなりそんなことをしたのか自分でもわからなかった。 ただなんとなくかもしれない、放っておけない雰囲気がそうさせたのかもしれない。 ほんの数秒か、はたまた数分か抱きしめていた時間が分からない中、少年はすうっと頬を濡らし ていた。 健夜「あ、ゴメンね、苦しかった?」 少年は首を横に振り、私の服の端を掴んでいた。 少年のその行為に戸惑いつつ、私はその状況を受け入れた。 その数分後、私の両親が戻ってきて親類との話を伝えてきた。 先ほど一緒に居た少年のことについてだ、結論から言えば少年を施設に預けるという話になった らしい。 周りでは預かれる状況にある人はいないらしく、他に近しい親類もいないらしい。 このままではこの子は一人っきりになってしまうのではないのかと思ったら勝手に口が開いて言 葉を発していた。 「あのこ家で預かれないかな。」 なぜそんな無茶なお願いをしたのか、両親にも少なからず負担が掛かるだろうに。 ただ、繊細なガラス細工みたいな印象を受けた少年をここで見放してしまうのは、絶対に後悔す ると思ったからだ。 そんな考えをするのだろうと思ったのか両親はこう言ってきた。 健夜父「やはりか。」 健夜母「そう言うと思ったわ。」 健夜「?」 健夜父「健夜も受け入れてくれるだろうと思って親戚には話を通しておいたんだよ。」 健夜「へ?」 この人たちには敵わない、と同時に頭が上がらないと思った。 健夜母「後は京太郎君がうんと言ってくれればいいのだけれど……」 そのとき初めて少年名前を知った。 あれだけ話していたつもりなのに少年は一切言葉を発していなかったのだから名前も何も知らな かったのだ。 健夜母「誰か京太郎君と話をしてくれる人がいるといいんだけどね~?」チラッ 健夜父「まったくそうだな~」チラッ この人たちはそうなることわかってて私を会場で待たせていたのだろう。 まったくこの二人は……。 健夜「私が行くよ。」 そう両親に告げて私は再び、少年の方に足を向けた。 少年の近くに行き、話しかける。 健夜「ねぇ、京太郎君、家の子にならない?」 少年は私の服の端を掴みながら小さく頷いた。 その日から小鍛治家には家族が一人増えたのだ。 ――小鍛治家―― 健夜父「さぁここが今日から京太郎君のお家になるんだぞ~」 健夜母「遠慮なんていらないわよ~」 健夜「さぁあがって?」 京太郎「………お、じゃま……します。」 健夜「京太郎君、今日からは『ただいま』、だよ?」 京太郎「……た、だいま。」 健夜「うん、おかえり。」 そんなやり取りをし、京太郎君が何所の部屋で寝るか決めることになった。 私は、私の部屋を進言した、まだ心の傷が癒えてないこの子を一人にさせたくないと思ったから だ。 夜、布団を引いて二人で並んで寝た。 京太郎君は中々寝付けないみたいだった、というより眠りたくないようだった。 事故の時のことが脳裏に焼きついているのだろう。 京太郎君は目を瞑る度にその小さな手足をカタカタと震わせていた。 こういった眠れぬ夜を過ごして来たのだろうかと思うと凄くやるせなかった。 健夜「京太郎君、寝るのが怖い?」 京太郎君が頷く、そんな様子を見て私は京太郎君を優しく包み込んであげた。 そんな行為がこの子の母親を思い出したのか、止めどなく溢れる涙を私に押し付け京太郎君は小 さく泣き叫んだ。 京太郎「ウッ……お…かあ、さん……ヒッグ……おと、うさん……」 健夜「大丈夫、大丈夫だから……」 健夜「もう眠っても、大丈夫だから……」 気付くと私までも涙を流していた…… どれほどそうしていただろう、いつの間にか私の体でも覆えるくらい小さな少年は泣き疲れて眠 っていた。 それから少しずつ、京太郎君は口を開くようになっていった。 元来明るく活発な子だったのだろう、両親とも打ち解けて私にも心を開いてくれた。 それによく私の後を付いて回ってきた、私に懐いてくれている証拠だろう。 この頃は私が部活等でやっている麻雀に興味を持ってくれたらしい。 試しに教えてみたが子供には中々難しいみたいだ。 それでも京太郎君は私と共有出来る物を得れたみたいで嬉しがっていたみたいだった。 私が学校に行っていて家に居ない時は一人で麻雀をしているみたいだった。 私が学校から帰ると直ぐさま玄関にやってきて「おかえり」と言ってくれる。 京太郎君に麻雀の基礎を教えながら遊んであげた。 麻雀について教えながら部活のこととか話しているうちに思い出したことを言った。 健夜「私ね、今度の全国大会に出るんだ。」 健夜「テレビにも出るみたいだから京太郎君も応援してくれると嬉しいな。」 京太郎「テレビに出れるなんて健夜お姉ちゃんすっごいね!絶対応援するよ!」 健夜「うん、ありがとう、京太郎君の応援に応えられるくらい頑張るよ。」 結果から言えば危なげなく優勝してしまった。 満貫すら振り込むことも無く、ただ自分の所に点棒を集めていった。 家に帰ってきてから京太郎君は「かっこよかった!」「すごかった!」としきりに私を褒めてい た。 それからしばらくは京太郎君の私を見る目がテレビに出てくるヒーローをみたいに映っていたみ たいだ。 それから二年、京太郎君は腕をあげてインターミドルに出しても恥ずかしくはないレベルにはな った、はず。 これは先生としては将来が楽しみだ。 そして今年も全国大会が近づいてきていつものように京太郎君に応援されて全国に行った。 そして準決勝で事件が起きた。 いや、事件というより事故に近いのだろうか。 対局者の一人に打ち筋がわからない相手がいた。 健夜(張ったのかな……?とりあえずこの牌は大丈夫のはず……)タンッ 晴絵「ロン!12000!」 健夜(な!?全然打ち筋が見えなかった!) 健夜(お、落ち着かなきゃ。) 健夜(このまま動揺した状態で打ったら崩れて相手の思う壺!) 健夜(なんとか持ち直さないと……) 健夜(それに教え子に無様な打ち方は見せられないし!) それからなんとか持ち直して打ったが、客観的に見てお世辞にも綺麗な打ち方とは言えなかった 。 対局者にも悪いことをしたし、京太郎君にも良くない打ち方を見せてしまった。 結局全国大会で負けはしなかったものの、心に残る結果となってしまった。 家に戻ってから京太郎君から謗りを受けるとも思ったがそんなことは無かった。 ただ、私に抱きついて一言。 京太郎「跳満が当たった時、健夜お姉ちゃんが遠くに行っちゃいそうで怖かった……」 私は決めた、もう二度とあんな無様な打ち方はしないと。 例え負けたとしても胸を張れる打ち方をしようと。 ――今から数ヶ月前―― 京太郎君も高校生になったころ一本の電話が掛かってきた。 京太郎君からだ。 健夜「もしもし京太郎君?どうしたの?」 京太郎「あ、もしもし、健夜さん?俺地区予選突破しましたよ!」 健夜「え!?おめでとう!じゃあ今度お祝いしないとね!」 京太郎「それはまだ待ってください。」 健夜「え、どうして?」 京太郎「お祝いをあとでもう一回やるのは二度手間でしょう?」 健夜「もう、全国で勝つつもりなんだ。」 京太郎「自信はありますよ?なんてたって俺には最高の先生が付いてますから!」 健夜「うふふ、ありがとう。」 京太郎「じゃあそっちに行ったらまた電話しますんで。」 健夜「んふふ、わかりました、全国でも気を抜かないでね?」 京太郎「分かってますって、それじゃ。」 健夜「うん、それじゃあね。」ピッ 正直複雑な気持ちだった私の人生を追ってくる彼を、 意図せずとも私の人生と同じ道を彼の人生にも強いてしまったのではないかと思ってしまった。 そんな気持ちが心のどこかにある。 だからこそ、私が支えて道筋を指し示さないといけないのだろう、人生の先輩として。 小鍛治episode 『救いの女神』 ――現在・自販機前―― 京太郎(小鍛治)「……掻い摘んで話したが大体こんな感じだな。」 京太郎(小鍛治)「健夜さんと出会わなかったら、今の俺はいなかった思うんだ。」 京太郎(小鍛治)「だから、健夜さんにも義理の両親にも感謝してるんだ。」 京太郎(清澄)「……小鍛治の俺、今、幸せか?」 京太郎(小鍛治)「ああ、それは迷うことなく言えるよ、今の俺は幸せだ。」 京太郎(白糸台)「そうか……」 京太郎(宮守)「俺たちは意外に救われてるんだな……」 京太郎(小鍛治)「湿っぽくなるのやめやめ!次行こうぜ、次!」 京太郎(宮守)「それじゃあ最後に俺の番だな。」 シロ「がんばれ……」 京太郎(宮守)「俺は途中まで小鍛治の俺と対して変わらん。」 京太郎(宮守)「ただ、俺の場合、小鍛治という人とは会わなかった。」 京太郎(宮守)「両親が亡くなってから数年は施設で預かられていたんだ。」 京太郎(宮守)「そしてある日とあるお婆さんに身元を引き受けられたんだ。」 シロ「おー、そんな過去が……」 ――数年前・岩手―― ――その子とあった時の印象は、『魂が裂けている』だった。 長年生きているとそんな人間もいくつか見たことはあるが、文字通り『割けている』子供を見た のは初めてだった。 どこか仄暗い闇を感じさせるその瞳には、生への執着は薄く、また他者との深い関わりを拒絶し てるようにも感じた。 このままではこの子はいずれ亡くなると判断した私は、怪異と所縁が深い岩手に居を構えること にした。 この子は泣かない、笑いもしなければ、怒りもしない。 感情が乏しいのだ、だからこそ色んな人間と接触しなければならない、そしてそれが特殊な人間 であるなら尚良いと思う。 「京太郎、今からあなたにはこの洞窟に入ってもらうわ。」 「リュックには食料と水が入ってるから落とさないように。」 「私は洞窟の出口で待ってるから。」 「さぁ、お行き。」 私はそれだけ伝えて京太郎を洞窟へと進ませた。 京太郎は怪訝な表情を浮かべたあと、洞窟に向かっていった。 これで彼が何とか感情の欠片を掴むことが出来ればいいのだが…… 彼が今回掴むべき感情は、『恐怖』。 闇から侵される不安と完全なる孤独に対しての恐怖。 これが他者への興味へと繋がってくれればいいと思っている。 そして次に『生への執着』。 闇への恐怖から生まれる生き物として持つべき『生きたい』という感情。 この二つが得られたら上出来だと思っている。 「ダルい……」 今の私の感想である。 知り合いに『洞窟をある程度進んだところで人を待て』そんな面倒くさい頼まれごとを受けて、 この一寸先も分からぬほどの闇に囲まれた中、私は休んでいた。 暇を弄び尽くして帰ろうかと思った時、遠くの方から一人の足音が聞こえてきた。 やがて私の近くまで寄ってきたところで、私とぶつかった。 「痛……」 「……え?」 どうやら相手は私の存在に気付いてなかったようだ。 無理も無い、先ほどから動いてすらいない私は、物音一つ立てずに休んでいたのだから。 加えてこの真っ暗闇だ、相手の顔どころか姿形の輪郭を認識するのすら危ういだろう。 とりあえず目的の相手も来たことなのでこの洞窟を出ようと思う、が…… 「ダルい……」 口をついて出た言葉がこれだ。 正直動くのが面倒くさい。 だがここから出ない訳には行かないので、頑張って立ち上がろう……あとちょっとしたら…… そんなことを考えていると相手が語りかけてきた。 「えっと、あなた人ですか……?」 「暗くて見えないだろうけど、これでも人間だよ。」 声から察するに男の子だろう、それも変声期が来る前くらいだ。 それから直ぐに相手から提案を受けた。 「一緒にここから出ませんか?」 「ん、いいよ、はぐれるといけないから手を出して。」 「あ、はい。」 どこにあるかも分からぬ手を掴んだ後、私はこう切り出した。 「ダルいから引っ張ってって……」 「……え?」 「なんなら負ぶってくれてもいい……」 「怪我でもしてるんですか?」 「いや、ダルいだけ。」 それから二人でしばらく洞窟を進んでいくと少し開けたとこに出た。 そこには光苔が薄っすらと生えており、二つの道を指している。 「どっちに進めば……」 「ん、ちょいタンマ。」 私はそう言葉を発して数秒考える。 「こっち。」 「え、道を知ってるんですか?」 「たぶんこっち。」 私はそう言って手を繋いだまま進む。 相手の足取りも躊躇いながら付いて来た。 それから歩みを進めてしばらく経つと奥の方から微かに月明かりが見えた。 出口だ、私がそう思ったと同時に相手も口に出していた。 意外と気が合うかもしれない。 そして漸く出口に着いたとき、この面倒くさい頼みごとをした張本人が現れた。 トシ「お疲れ様、二人とも。」 京太郎「え、この人もトシさんの知り合いなんですか?」 トシ「そうだよ、今回の協力者。」 トシ「それで京太郎は何か感じたかい?」 京太郎「怖かったです……闇の中で一人になるのは。」 トシ「そうかい、それでいいんだよ。」 トシ「白望も悪かったね、私たちに付き合わせてしまって。」 シロ「ダルかった……」 京太郎「あなたのお名前、白望さんって言うんですか。」 シロ「ん、気軽にシロって呼んでいい……こっちも京太郎って呼ぶから。」 このとき今更ながらにお互いに名前を知ったのである。 ――私は知り合いの伝で呼ばれ、一人の少年に引き合わされた、名前は京太郎というらしい。 『同年代の人物と接触させたい』という話らしい。 頼んできた人は老齢のご婦人で、名前は『熊倉トシ』と名乗っていた。 親戚が昔世話になってたらしく断れなかったみたいだ。 そして親戚内では私ぐらいしか条件の該当者が居なかったらしく、私にお鉢が回ってきたという ことだ。 「えっと、君が京太郎君だっけ?私は臼沢塞、よろしくね。」 京太郎「臼沢さん、ですか、俺は、須賀、京太郎です。」 私たちはとりあえず名乗り合った。 そのあと、彼の目を見て第一印象が決まった、決まってしまった。 なんという寂しい目をしてるのだろう、なんという怯えた目をしているのだろう。 心の奥底になにか抱え込んだ目をしていた、そんな印象を受けた。 多分、こんな目をした彼に必要だと思って『同年代の人物と接触させたい』と親戚は頼まれたの だろう。 とにかく明るく接した方がいいのかと思い、色々話した。 私の事、好きな物について、岩手について、最近の出来事。 そして親のことについて話題に移った時、彼の目には暗いものを感じさせた。 塞「――それで私の両親がね……」 塞「そういえば京太郎君のご両親ってどうしてるの?」 京太郎「えっと……」 塞「……?」 京太郎「……俺を残して死んでしまいました。」 塞「あ!?ゴメンね、辛いこと聞いて……」 京太郎「気にしないで下さい、もう随分前ですから。」 彼はそう言って苦笑いを浮かべていた。 やってしまった。 調子に乗って地雷を踏んでしまった。 彼は気にするなとは言っていたが、気にしてしまう。 私は気まずい雰囲気に耐えられなくなり、そろそろ帰ろうと思って席を立つ。 途中で熊倉さんに会ったので彼の生い立ちをつい、聞いてしまった。 彼の両親が死に際、彼にしたこと……そして彼がその光景を見ながら、両親が無くなったこと。 そんな話を聞いて、気付いたら彼の元へ向かっていた、そして暗い目をした彼を見て思わず抱き ついていたのだ。 京太郎「……え?何で?」 何故そんなことしたのか自分でも分からなかった。 ただ、彼の話を聞き、彼の目を見たからか、憐憫の情を抱いたのかも知れない。 そしてその壊れそうな瞳を見て、彼の心に抱えた物を、彼の心を苛むものを、彼から守ってあげ たいと思ったのだ。 塞「京太郎君、辛いことがあったら、私に言って……」 塞「私が京太郎君の、心の傷を塞ぐから……」 京太郎「……ありがとう、ございます。」 トシ「……ふふふ」 トシ(京太郎の話相手が出来ればいいと考えていたが、思わぬ掘り出し物かもね。) ――現在から一、二年前・岩手―― 私は今、閑散とした村奥、閑散とした部屋にいる。 この閉鎖された世界が私の全てだった。 『■■様』これが私の呼ばれ方。 ちゃんと親から貰った名前があるのに、周りから私はこう呼ばれていた。 この部屋には誰も近寄らず、また近寄れない。 なので両親とも禄に会えずに、最近では顔も朧げになってきている。 人と話すこともめったに無い、ここに来た時から人と話すことが無くなってしまった。 ご飯を持ってきてくれる人が居るが、いつも無言で去っていく。 話し方が悪いのかと思って、喋り方を変えてみた。 でも、いつも通り何も言わず去っていく。 ここに来た時、言われたことがある。 『人を好きになってはいけない。』 『ここから出てはいけない。』 なぜなのかと聞いたが、何も答えてはくれなかった。 人とも話せない、そんな狭い世界が、そんな何も変わらない毎日が過ぎ去っていった。 幾日も経ったとある日、戸が叩かれた。 聞き覚えの無い声で「失礼します」と聞こえた。 こんなことは今までなかった。 配膳に来る人だって戸を叩きはすれども、声は一切発しなかった。 だから突然のことに面を食らってしまった。 驚いて固まっているうちに、戸の向こうから男の人が入ってきた。 金髪の青年だった。 初めて見た金髪、初めて見た同年代の男の人、その青年はゆっくりとこちらに歩み寄り、名乗っ た。 「俺、須賀京太郎っていいます、あなたが姉帯豊音さんですね?」 「そ、そうだよー。」 人と会話したのはいつ以来だろうか、自分の名前すら忘れかけていた私の名前を、誰かが呼んで くれるのはいつ以来だろうか。 話し方すら忘れてたと思っていたのに、もう誰とも話すことはないのかもと思っていたのに…… 「俺はあなたのご両親に頼まれてやってきたんです。」 「で、もしよかったら俺と少し、お話しませんか?」 期待してしまう、ここに来てから会話なんてなかった。 期待してしまう、ここに来てくれて話をしていいと言われて。 期待してしまう、ここ以外の世界を教えてくれるのではないかと。 彼は自分のことを軽く話し、外のことについて教えてくれた。 彼の住んでた町、おいしい物、面白い物、楽しい物、楽しいこと。 正直、期待してしまう、この人が私をここではないどこかへ連れて行ってくれるのではないかと 。 でも、それは欲張りな話だ、話し相手が出来ただけでいいのに。 その上ここから連れ出して欲しいなんて、なんて私は欲張りなのだろう。 京太郎「――それで俺は一人ぼっちだと思ってたんですけど、やっと人に頼れる事が出来たんで す。」 豊音「……」 京太郎「姉帯さん?やっぱり俺の話って詰まんなかったですか?」 豊音「ううん、そんなことないよー、ちょーたのしいよー……ただ……」 京太郎「ただ……?」 豊音「私は、私にはそんな人、居ないよー……」 豊音「ずっと、ずっと、私は一人ぼっちだったんだよー……」 京太郎「そう、ですか……」 京太郎「……じゃあ、俺と友達になってください。」 豊音「え?」 京太郎「……もう一度言います、姉帯豊音さん、俺と友達になってくれませんか?」 豊音「……いいの?」 京太郎「いいもなにも、お願いしてるのは俺ですから。」 京太郎「姉帯さんがよければ友達になってくれないですか?」 豊音「…………」 豊音「友達になりたいよー……」 豊音「私、ずっとお話が出来る友達が欲しかったんだよー……」 豊音「でも、私、ここでぼっちだからできなかったんだよー……」 豊音「だから願いが叶って、ちょーうれしいよー。」 京太郎「じゃあもう、ぼっちじゃないですね。」 そういって彼は手を差し出してくれた。 豊音「うん、もうぼっちじゃないよー……」 その手を掴んだ瞬間、私の世界は広がった。 宮守episode 『迷ひ・塞ぎ・友を引く手』 ――現在・清澄控え室―― 優希「おそい……おそいじぇ……一体犬は何所で道草食ってるんだじぇ!?」 和「優希がタコスなんて頼むから……」 咲「それにしても京ちゃん遅すぎるよ……」 咲「私、ちょっと探してきます!」 久「はい、ストップ、あなたが行くと二次遭難が起きるから。」 和「なら私が咲さんと一緒に行きます。」 和「それなら迷子になりませんよね?」 まこ「そうじゃな、和が一緒なら流石の咲も迷子にならんじゃろ。」 咲「……京ちゃん、皆が私の事をお外を歩くとダメな子っていじめるよ……」ガックシ 和「さぁ、行きましょう、咲さん。」 ――同時刻・白糸台―― 淡「あ~んもー!きょーたろーおそーい!」 尭深「確かに、遅い……」 誠子「どっかで道草食ってるんですかねー?」 菫「須賀が何の連絡も入れずに遅くなるなんて妙だな。」 照「きょ、京ちゃん……」オドオド 誠子「案外美人にふらふら~っと付いて行ってるだけだったりして。」ケラケラ 照「!?」 菫「流石にそれはないだろうと思うが……」 菫「想定外の荷物が多くて難儀してるのかもな。」 照「……」ソワソワ 菫「念のために誰か探しに行ってくれるか?」 照「はい!はい!はーい!」 菫「照、お前は却下だ。」 照「」 菫「で、誰かいないのか?」 照「なんで私がダメなの!?」ギャー! 菫「お前が行ったら迷子になるだろうが!」クワッ! 照「京ちゃんがいるから迷わない。」キリッ 菫「その須賀を探す為に人を出そうとしとるんだろうが!」ガー! 照「むー」 誠子「あ~、弘世先輩?」 菫「どうした、誠子?」 誠子「どうやったって宮永先輩は付いてくると思うのでもう二人で行った方がいいかもしれませんね。」 菫「」 照「やったー!」パァー 菫「仕方ない照と私が行くか……」 ――自販機前―― 京太郎(宮守)「っとまあこういう具合かな。」 京太郎(宮守)「だから宮守の皆には感謝してるし、手伝えることは手伝ってる。」 京太郎(小鍛治)「なんか波乱万丈だな……」 京太郎(白糸台)「人のこと言えないだろ。」 京太郎(宮守)「話してたらもうこんな時間か。」 京太郎(小鍛治)「やべー結構時間経っちゃってるよ……」 京太郎(清澄)「うわー!これ多分みんな怒ってるよなー……」 京太郎(白糸台)「それじゃあ、一旦ここらでお開きって事で。」 京太郎(清澄)「おう、それじゃ、またな。」 京太郎(宮守)「また会おうぜ。」 シロ「またなー」 ―――― 照「京ちゃん!」 京太郎「あれ、迎えに来てくれたんですか。」 菫「君が余りに遅かったのでな。」 菫「一体なにをやっていたんだ?」 ―――― 京太郎「戻りましたー」 健夜「遅かったね、みちにでも迷ってた?」 恒子「案外自分探しの旅に出てたとか?」 京太郎「いやーそれがですねー」 ―――― 京太郎「すいません遅れました。」 トシ「おや、随分遅かったねぇ。」 塞「シロを負ぶってたから余計時間掛かったんじゃ……」 豊音「なにかあったのー?」 シロ「あー……説明するのがダルい……」 京太郎「飲み物買いに行く最中ちょっとありまして。」 ―――― 咲「あ、京ちゃん!」 京太郎「おー、咲に和、悪いな遅れちまって。」 和「何かあったんですか?」 京太郎「まあな……」 京太郎×4「「「「ちょっと(人生の)道を教えてました。」」」」 『前編』 了 続き
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. 京太郎「買い出し行ってきました!」 菫「お疲れ、じゃあ今度は駅前の電気屋で電池を買ってきてくれ」 京太郎「さっき駅前の八百屋に行ってきたんですけど」 菫「後から思い出したんだ、悪いな」 京太郎「それならメールしてくださいよ、もう」 菫「だって……メールはプライベートのときだけだと言っただろう」 京太郎「はぁ……そんなことしてたら嫌いになりますよ」 菫「ぐっ、それは困る」 京太郎「次はちゃんと送ってくださいね」 菫「……むぅ」 照「京」トテトテ 照「お菓子買ってきてくれた?」 京太郎「おう、ちょうど帰り際に連絡ついてよかったよ、はいじゃ○がりこシーザーサラダ味」 照「ありがと」モグモグ 京太郎「後でわけろよ」 照「うん」モグモグ 菫「……むぅ」 誠子「京太郎!来週末海遊館に行かないか!」 京太郎「あーいいですけど、土日両方とも埋まっちゃてるんですよね、すみません」 誠子「そうか……あ!」 誠子「なら今日の帰りに釣具店に行かないか?」 京太郎「今日も無理なんですよ」 誠子「明日は?」 京太郎「無理です」 誠子「明後日は?」 京太郎「無理です」 誠子「明々後日は?」 京太郎「無理です」 誠子「…………」ショボーン エイスリン「オイマタノ」トントン 誠子「なんですか?」ショボーン エイスリン「」カキカキ バッ |京太郎とエイスリンがUSJにいる絵| エイスリン「」ニヘラ 誠子「なんなんですか一体もー!」 京太郎「他に買ってくるものありますかー」 尭深「あ……弟くん」 京太郎「なんですか姉さん」 尭深「私もついて行っていい、かな、お茶っ葉が欲しい、んだけど」 京太郎「もちろんいいですよ、その代り俺のことも手伝ってくださいね」 尭深「うん、頑張る、よ」ニコッ 京太郎(可愛え~姉弟プレイやっててよかったー) 咏「あー!たかみんばっかりずりー!私も私もー!」 京太郎「お前は来・る・な!」 咏「なんだよー!ぶー!」 尭深「咏ちゃんもいいよ」 咏「ほれ見ろ!たかみんやっさしー!」 京太郎「はぁ……お前は何が欲しいんだ?」 咏「扇子と和服をちょっとねぃ」 尭深「あ……私も行きたい、な」 咏「んじゃ決定な!」 京太郎「うああああ!俺のささやかな幸せがあああああ!」 淡「いけーピカチュウ!」 郁乃「私はガノンやで~」 淡「電光石火だ!」 ウゥゥゥ ハァーッ! ピィカァチュー 淡「私のピカチュウー!」 郁乃「また私の勝ちやな~今度はこれを着けてもらうで~」 淡「何これ……ネコ耳?」 郁乃「ピンポ~ン、次はメイド服着てもらうで~」 淡「次は負けないもんね!」 京太郎「麻雀をしなさい!」ペシッ ペシッ 郁乃「いたっ」 淡「あわっ」 京太郎「俺が買い出しから戻ってくる前に全部片づけておけよ」 淡「あ!堅あげ買ってきて!ブラックペッパー!」 京太郎「もう買ってきた」 淡「さっすがお兄ちゃんだね!」 京太郎「はいはい」 郁乃「あれ~私のは~?」 京太郎「チャイナドレスなんてどこにも売ってませんよ」 郁乃「そっちやなくて、ツイスター」 京太郎「遊び道具をなんで部室に置くんですか?」 郁乃「も~京太郎くんはお堅いな~」 淡「そーそー!この堅あげみたいにね!」ドヤッ 京太郎「あんまりうまくねーぞ」 淡「むぅ~」 レディー ファイ! 淡「あ!郁乃ずるい!なんで始めてるの!」 郁乃「ふっふ~やったもん勝ちやで~」 ウゥゥゥ ハァーッ! ピィカァチュー 淡「あわわわわわわわ」 郁乃「はい、メイド服」ニッコリ やえ「お見せしよう!王者の打ち筋を!」クルクルー 憩「見せたるで!王者の打ち筋!」クルー やえ「違う!もっとスナップを利かせるんだ!」クルクルー 憩「スナップ!」クルクルクルー 憩「あ、できた」 やえ「なん……だと……」 やえ「だが私は小三のころからマメができない!ニワカは相手にならんよ!」 憩「ウチは年長さんのころからマメができひんようになったからなー」 やえ「ぐぬぬ……」 やえ(くっ、どうする小走やえ!このままだと全てにおいて後輩に負けることになる!) やえ(そして挙句の果てに京太郎すらも…………そんなの嫌だ!) 京太郎「買い出し行くんですけど、何か要るものありますか?」 憩「ウチは京太郎くんが欲しー!」 京太郎「はいはい、やえさんは?」 やえ「私も……京太郎が欲しい、な」ポッ 京太郎「…………」 京太郎「じゃあ行ってきますねー」 やえ「ちょっと待て!いつもは真面目なキャラの私が京太郎を欲しいと言ってるんだ、何かおかしいとは思わないのか!」 京太郎「あー、とうとう関西特有の「ボケなきゃいけない気がする病」になっちゃったんですね」 やえ「ち、違うわ!」 憩「ウチは本気でほしいと思っとるんやけどなー」 やえ「私も本気だ!」 京太郎「……なんでやねん?」 やえ「なんでなんでやねん?なんで疑問形なんだ!」 憩「うん、正解やな」 やえ「どういう正解だ!?」 京太郎「……じゃあ二人とも俺の奥さんってことでいいんですね?」 や憩「なんでそうなる!?」 京太郎「二人とも何もなさそうなのでもう行きますね」 憩「行ってらっしゃいませ、ご主人様!」ニコッ やえ(そうか!そういうノリなのか!) やえ「い……行ってらっしゃいませ……ご主人様///」ゴニョゴニョ 京太郎「はい、行ってきます」 京太郎「ただいま帰りましたー……」 菫「お帰り、暑かっただろう」 京太郎「誰のせいだと思ってんですか白々しい。もう何もないですよね」 菫「ああ、御苦労だった」 京太郎「じゃあ俺はまたネト麻でも……」 菫「ちょっと待て、せめてもの労いだ」ポンポン 京太郎「……一体何を?」 菫「膝枕だよ、疲れただろ?」 京太郎「誰が疲れさせたと思ってんですか、遠慮しておきます」 菫「そう言わずに、さあ!」 淡「きょーたろー、こっちこっちー」 京太郎「はいはい」 菫「あ……京太郎……」 菫「…………」ギリッ 尭深「二人ともお茶入れたよ」 淡「きょーたろー頭撫ーでて♪」 京太郎「ったく、お姫様はいつも甘えん坊だな」ナデナデ 尭深「……」ギリッ 淡「きょーたろーだからだよっ♪」 尭深「あー手が滑っちゃったー」バシャ 淡「た、たかみ!?」 尭深「……淡ちゃん、ごめんね」 淡「もう!たかみのせいでビチョビチョだよ!」 尭深「ごめん、ごめんね……」ポロポロ 淡「そ、そんな謝らなくても」 尭深「許して……くれるの?」ウワメヅカイ 淡「うっ……」 淡「もっ、もう、しょうがないなぁたかみは!」 尭深「うん、ありがとう」ニコッ 淡「私は器が大きいからね、どーいたしまして!……くしゅん」 京太郎「おいおい大丈夫か?」 咏「待ってろ、拭いてやっから」 淡「えへへ、ありがと」 咏「どうってことねえよ」 咏「次やったら煎茶にすっから」ボソッ 淡「!?」 尭深「あったかいお茶の方が、おいしいもんね」ニコッ 淡「」ビクッ 京太郎「三人とも何の話?」 咏「何でもねーよ」 尭深「うん、大丈夫だよ。ね?」 淡「は……い」 尭深「あ……京太郎くん」 京太郎「何ですか?」 尭深「あの……私もかかっちゃったから……拭いて?」 京太郎「え……っと……」 京太郎「いや、ここって……胸じゃないですか」 尭深「でも、京太郎くんに拭いてもらわないと、くちゅん!」 尭深「風邪、引いちゃう……から」 京太郎(えっ何この状況は) 尭深(咏ちゃんは京太郎くんの生写真、淡ちゃんはもう屈服させたからここでの強者は私) 尭深(後は京太郎くんを誘って……むふふ) 京太郎(……どうしよう) 京太郎(確かに尭深さんの胸についた麦茶を拭き取るなんていう状況は滅多にない!) 京太郎(そして何よりあの素晴らしく豊かなおっぱいを触れる……!) 京太郎(俺は、俺はどうすればいいんだ……ッ!)プルプル 尭深「京太郎くん?」 京太郎「すっ!すみません!咏にでもやってもらってください!」ペッコリン 尭深「え……」 京太郎「う、うわああああああああ!」ドヒューン 京太郎(できっこねえ!俺にはできっこねえんだあああ!) 京太郎「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……」 エイスリン「キョウタロー、ドウシタノ?」 京太郎「煩悩に打ち勝ってきました……」 エイスリン「?」 京太郎「わからなくっていいです」 誠子「京太郎、ここにいたのか」 京太郎「どうかしたんですか?」 誠子「少し話があるんだ、来てくれるか?」 京太郎「はい、わかりました……けど」 エイスリン「」ギュッ←袖を掴んでる 京太郎「あのーエイスリンさん?」 エイスリン「キョウタロー、イクノ?」 京太郎「誠子さんが用があると言うので」 エイスリン「イカナイデ」ギュッ 京太郎「」キュン 誠子「……京太郎?」 京太郎「俺、やっぱりエイスリンさんと一緒にいます」 誠子「なっ……」 誠子(負けた……だと……) 誠子(私が……留学生に!)チラッ エイスリン「ハンッ」ニヘラ 誠子「」イラッ 誠子「京太郎、そいつから離れてくれ」 誠子「ちょっくら用ができたんでな」ゴゴゴゴ エイスリン「ノゾムトコロダ、コノコワッパメガ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はぁ……」 京太郎(なんかよくわからんけど険悪な雰囲気?) 京太郎(とりあえずは撤退するか)ササッ 京太郎「……ふぅ」 京太郎「窓辺で飲むアイスティーはささ、最高な、なんだな」 憩「京太郎くーん!」ダキッ 京太郎「ぐえっ」 憩「京太郎くんの身体ええ匂い~」スリスリ 京太郎「もう、いい加減後ろから抱き着いて匂い嗅ぐのやめてくださいよ」 憩「だってええ匂いなんやもーん」スリスリ 京太郎「はぁ……」 照「京、お茶」ポリポリ 京太郎「なんでまた膝に座ってんだよ」ガシッ 照「お菓子×お茶×京の膝=最高のくつろぎ」ボリボリ 京太郎「とにかく退け」ゴリゴリ 照「あががががががが」ボリボリ 京太郎「どんだけ食べたいんだよ」 照「助かった……」ボリボリ 憩「なあ照ちゃん、京太郎くんの膝で何しとるん?」ニコニコ 照「くつろいでるだけだけど?」ボリボリ 憩「今京太郎くんの身体使うとるのはウチなんやけどなー」ニコニコ 照「抱き着いて迷惑がられてる時点でお察し」ボリボリ 京太郎(二人とも何話してんだろ……) 憩「そっちやって京太郎くんにエレベーターされとったやん」ニコニコ 京太郎「ふぁ……」 照「愛情の裏返しだからね、憩なんかにやるはずがないよ」ボリボリ 憩「へぇーおもろいこと言うなーぁ」 京太郎(買い出し行ったから眠いのかな……)コクッ 憩「せやったら京太郎くんに聞いてみよか」 憩「果たしてどっちのことが好きなんか」 郁乃「…………」ササッ 照「勝負は目に見えてるけどね」ボリボリ 憩「なあ京太郎くん?」 照「京」 照憩「「どっちが好き?」」 京太郎(抱き枕)「」 照「」 憩「」 【ロッカー】 郁乃「ふっふっふ~」 京太郎「ぐぅ……」 郁乃「これで既成事実作戦遂行やな~」 郁乃「あ~と~は~」カチャカチャ 京太郎「すぴー……ぐおごご……」 やえ「ん?誰かいるのか?」ガチャ 郁乃「あ」 京太郎「ぐごー」 JR京太郎「あと一枚!この壁を破れば俺は!」 やえ「…………」 やえ「ハ、ハレンチな!」カァァ やえ「ハレンチ!ハレンチだぁぁぁぁあっぁあ!」カァァ やえ「……もうこの部のノリについていけない気がする」 霞「相談って言われたから何かと思ったけど、そんなことなのね」 やえ「そんなことって、結構問題なのだが」 霞「わかってるわよ、じゃあまずは……」 やえ「ガッハッハッハ!京太郎!飯に行くぞ!」 京太郎「はい、いいですよ」 やえ「ガッハッハッハッハ!」 京太郎「ちょっと待っててくださいね」 やえ「美味い!屋上で食べる弁当は実に美味いな!」 京太郎「ですねー、あ、ソースついてますよ」フキフキ やえ「ああ、す、すまないな」カァァ やえ「というわけで口調からイメージを変えよう思ったのだが、上手くいかなかった」 菫「だからってなんで私に相談するんだ」 やえ「菫だって何だかんだで馴染んでるじゃないかー」 菫「引っ付くな!離れろ!」 菫「口調か……」チラッ 淡「んー?」 菫「そうだな……」 やえ(ドリルを下ろして別の髪形にするとは、流石は菫!) やえ(……なんかおかしいような気がするが) やえ「京太郎!次は移動教室なのか?」 京太郎「えっと……誰?」 やえ「な……」 京太郎「ポニーテールだから体育会系?……でも俺そんな知り合いいないし……」ブツブツ 京太郎「それにこんな可愛い人だったら覚えてるはずだし……」ブツブツ やえ「///」 やえ(可愛い……可愛い……///)ダッ 京太郎「すみません、誰ですか?」 ポツーン 京太郎「……いなくなった、のか?」 やえ「やはり私には無理なのか……」 誠子「大丈夫です!先輩なら必ず!」 尭深「お茶入れましたよ」 やえ「二人ともありがとう、すまない」 誠子「いえいえ!先輩のお力になれるならいいですよ!」 尭深「でも、この部に慣れる方法……ですか」 誠子「あ!」ポン 誠子「じゃあこういうのはどうでしょう!名付けて……」 やえ「うがあああああ!胸が!胸がああああ!」 京太郎「やえさん!」 やえ「がはっ……くっ、どうやら私はもうだめかもしれない」 やえ「今までありがとう、な……」 京太郎「やえさん!やえさぁぁぁぁん!」 やえ(作戦名病弱になって心配されよう作戦……) やえ(なんだこの茶番) やえ「元白糸台はあてにならない!」ガタッ 憩「で、ウチと」 咏「私に頼ろうっての?」 やえ「淡と照は論外だからな!」 憩「イメチェンやったら……」 咏「だったらこれとかどうだ?」 やえ「きょーたろー」ダキッ 京太郎「げぇっ」 やえ「京太郎は良い味がするな♪」ペロペロ 京太郎「ちょっ!何憩さんみたいなことやってんすか!ってか舐めないでくださいよ!」 やえ「そんなこと言うなって~」ペロペロ やえ(しょっぱいけど、確かに良い味だ) やえ(癖になるな~) やえ「…………」ズーン エイスリン「ヤエ、ドウシタノ?」 やえ「私は……私は何ということをしてしまったんだ……っ!」 郁乃「ふんふん、何やら神妙な雰囲気やな~」 やえ「うげっ」 郁乃「なんでみんなそんな声出すん~傷つくわ~」 やえ「一番論外な人が来てしまった……」 エイスリン「ヤエ!idea!」 やえ「ん?」 郁乃「これも飲んで使うと効果倍増やで~」 やえ(信用ならない……) やえ(5)「ねーねーお兄ちゃん、私と遊ぼっ!」 京太郎「ぐへへ、ぐへへ、じゃあお兄ちゃんを舐めてくれるか?」 やえ(5)「うん、いいよっ!」 京太郎「ぐへへへへ……」 やえ「幼児に何を期待しているんだ?」 京太郎「なっ!やえさん!?いつから!さっきまでそこに女の子がいたのに!」 京太郎「何が起こっているんだ……」 やえ(エイスリンの言うテンシニナリキル作戦と赤阪の幼児で誘惑作戦……) やえ(もうわけがわからん) やえ「私は、どうすればいいんだろうな」 照「?」ボリボリ 淡「やえ先輩はやえ先輩のまんまでいいと思いますよ」ポリポリ 照「よくわからないけど、いつものやえの方が私もいいと思う」 やえ「いつもの私?」 淡「そーそー、いつも通りいつも通り!」 やえ「……わかった、もう何も迷わないよ」 照「それでこそやえ、頑張って」 やえ「京太郎!」 京太郎「はい、どうしました?」 やえ「今度、今度だな!私と……その」 やえ「こっ、今度!」 京太郎「落ち着いてください話がループしてます」 やえ「あぅ……」カァァ 京太郎「まずは深呼吸しましょう」 やえ「うむ……すぅー……はぁー」 京太郎「落ち着きました?」 やえ「うん、今なら言えそうな気がする」 やえ「今度、私と遊びに行かないか?」 京太郎「はい、大丈夫ですよ」 やえ「やたっ!」グッ やえ(これで京太郎と初デートだ!) やえ(………………) やえ(………………) やえ(…………) やえ(何か、違う気がする) やえ(かなり最初の方から違う気がする)
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清澄高校麻雀部部室 京太郎「ツモ。メンタンピン三色赤一で3000、6000だ」パララララ 優希「うぅ~、犬の癖に生意気だじぇ……」 和「これでまた須賀君が2位ですね」ジャラジャラ 京太郎「一位はまた咲だけどな」 咲「たまたまだよ~。それより京ちゃん、また強くなったね」 京太郎「おう!みんなや師匠に鍛えてもらってるからな。今だったら個人戦で全国行けそうだぜ!」 まこ「あんたはまた調子に乗りよって」パシッ 久「ふふ。でも強くなったのは確かよね。私達みたいに特殊な能力があるわけでもないのに」 和「そんなオカルトありえません。でも最近の須賀くんは牌効率もしっかり理解してるみたいですね。時々理解出来ない打ち方もしますが……」 京太郎「それは咲とか部長の能力に合わせてるからだと思うぞ」 和「須賀くんまでそんなことを言うんですか!? そ・ん・な・オ・カ・ル・ト・あ・り・え・ま・せ・ん・!」 京太郎「ハハ。悪かったよ。デジタルの打ち方が上達したのは和のお陰だしな。ありがとう」 和「と、当然のことをしたまでです……」カァァ 咲「むぅ~。私だって京ちゃんに教えてるもん!」 京太郎「正直咲の打ち方はあんまり参考にならないな。この前なんて、テンパイ崩してまでカン材を待てとか言ってきたじゃねぇか」 咲「あのあとくる牌をカンして嶺上開花すれば良かったのに……」 京太郎「それが出来るのはお前だけだ!」ウリウリ 咲「京ちゃんっ止めてよっ」カァァ 久「はいはいそのくらいにしておきなさい。……そう言えば須賀くん、今日はなにかみんなに話があるとかいってなかった?」 まこ「そうなんか?なんじゃわりゃあ、それを先に言わんでどうするんかい」 京太郎「え、ええ。本当はもっと前に言わないといけなかったんですけど……」 久「なによ歯切れ悪いわね。さっさと言っちゃいなさい」 京太郎「俺……転校することになったんです」ハハ 優希「なっなんだとぅ!? それは本当なのか犬!」 咲「え……嘘だよね、京ちゃん?」 和「そんな素振り全くなかったですよね……?」 京太郎「いや、本当だ。みんなにはどうも言いだせなくてな……」 久「……どうしても、いかないといけないの?」 京太郎「ええ。親の仕事の関係で。俺もこっちで一人暮らしするって言ったんですけど……」 まこ「まあ、それなら仕方ないかのぉ」 優希「雑用はどうするんだ犬ぅ!お前は自分の仕事を途中で放り出すやつだったのか!?」 京太郎「済まん…… だけど安心しろ。クラスの男子でこの麻雀部の雑用をやっても良いってやつを見つけといたからさ」 咲「そんな……」 京太郎「ほら、この部の女の子はみんな可愛いだろ? だからそれ目当てで雑用しても良いっていう男子は山ほどいるんだよ。……俺みたいにな」 久「却下」 京太郎「え?」 和「須賀君が転校するのは仕方がありません。ですがその代わりに誰かを雑用として招くなんて、そんなオカルトありえませんよ」 京太郎「和……」 まこ「あんたはただの雑用としてこの部にいるんか? 違うじゃろ。あんたはこの麻雀部の大切な仲間じゃ」 京太郎「先輩……」ウッ 咲「京ちゃんの代わりなんて、誰も出来ないよ」 京太郎「咲……」グスッ 久「そういうこと。私の台詞、みんなが持っていっちゃったわね。それにあなた以上に上手く雑用が出来る人間がこの学校にいるとはとても思えないわ。他の人呼ぶくらいだったら自分達でやるわよ」 和「優希だって……本当はそんなことが言いたかったわけじゃないでしょう?」 優希「のっのどちゃ~ん」ポロポロ 京太郎「み、みんな……」ジーン まこ「それで? あんたはいつ転校するんじゃ?」 京太郎「実は……明後日なんです」 咲「ええっ!? そんなにすぐなの!」 和「随分急ですね……」 久「まあ落ち着きなさいよ。もしかしたら近場に転校するだけかもしれないじゃない」 京太郎「いえ、それが東京の学校なんです……」 まこ「それはまた遠いのぉ」 咲「お姉ちゃんと同じ東京……」 京太郎「ああ。その照さんが通ってる白糸台だよ。俺が行く高校は」 久「白糸台高校!?」 優希「なんか美味しそうな名前だじぇ」 和「しらたき糸こんにゃくじゃありませんよ」 まこ「白糸台高校と言えば全国大会二連覇の強豪校じゃろ? 大出世じゃのぉ」 咲「お姉ちゃん、また私の京ちゃんを……」 京太郎「どうした咲? ブツブツ言って」 咲「い、いや、なんでもないよ! それよりお姉ちゃんはこのこと知ってるの?」 京太郎「ん? いや、知らないと思うぞ。まず俺のことを覚えてすらないかもな」 咲「それはないよ……」 久「でも待ってよ。白糸台って男子麻雀部あったかしら?」 京太郎「ええ!? ないんですか!」 久「ごめん。詳しくは覚えてないわ。私の勘違いだったかも」 京太郎「まあ、行ったら分かるでしょう。なかったらまた一から作り直しますよ!」 まこ「なんじゃあ? 大きく出たの京太郎?」 和「須賀君。東京に行ってもまた個室でネット麻雀をしましょうね」 咲「私もやる!」 京太郎「ネト麻なら咲には負ける気がしないな」ハハ 咲「ひどいよ京ちゃん。それと、毎日一通はメールを送ること」 京太郎「お、おう……」 優希「それなら私は一日電話一本だじぇ!」 京太郎「ビールみたいに言うな!」 久「長期休暇は、また長野に返ってきてね。仕事いっぱい用意しておくから」 京太郎「ひどいですよ部長~」 まこ「ウチの店も半額にしちゃるけぇ」 京太郎「ありがとうございます!」 京太郎(俺はこうして、大切な仲間との別れを済ませ東京に引っ越した――――) 白糸台高校麻雀部廊下 京太郎「広いな~。この高校。また迷っちまった」キョロキョロ 麻雀部員A「あれ? どうしたの君? 迷子?」 京太郎(この人……先輩かな?) 京太郎「ああ済みません。麻雀部を探してるんですが」 麻雀部員A「麻雀部? ああそれならここだよ」 京太郎「ここと言いますと?」 麻雀部員A「ここの建物全部、麻雀部が使ってるんだよ」 京太郎「ええ!? この建物全部ですか!」 麻雀部員A「ふふ。君可愛い反応するね」 京太郎「いやいや誰でも驚きますよ。こんな大きな建物を使ってるなんて」 麻雀部員A「ウチはインターハイ王者だからね。高校側もかなり力をかけてるのよ」 京太郎「へぇ~」 麻雀部員B「あっA! こんなところにいたんだ! もう練習始まるよ!」 麻雀部員A「分かった~! じゃあ練習行ってくるね! 私も虎姫を目指さなきゃ!」 京太郎「虎姫……?」 麻雀部員B「ねぇちょっと! 今のイケメン誰? 知り合い?」 麻雀部員A「いや、転校生だと思うよ。道に迷ってたみたいだから」 麻雀部員B「良いな~。私が先に見つけてれば良かった~」 白糸台高校麻雀部一軍虎姫専用部屋 京太郎「この建物全部が麻雀部ってことはこの一番デカイ部屋に行けば間違いはないか……」キィ 淡「あぁ~。もう今日は暑いなぁ~。そうだ! スク水で麻雀をやろう!」ヌギヌギ 京太郎「」 照「……いいかも」スルッ 京太郎「」 誠子「では私はいっそ裸で!」ガバッ 京太郎「」 淡「いいねいいねセイコー! ほらもう一枚! ほらもう一枚!」 菫「止めろお前ら! 部活中だぞ!」 尭深「……」ズズッ 菫「渋谷も呑気にお茶なんか飲んでないでこいつらを止めろ!」 照「淡……菫をひん剥こう」 淡「オッケーテルー!」 菫「おっお前ら! 止めろ! 脱がすな!」ズルズル 誠子「ヒット!」 菫「ヒットじゃない! 制服を釣り上げるな! あと部室に釣り竿を持ち込むな!」スポーン 京太郎「」 誠子「先輩もアーチェリー持ち込んでるじゃないですか。おあいこですよ」 菫「そもそも釣り竿衣服を釣り上げるためのものではない! それに誰か来たらどうす……る」 京太郎「」 京太郎(ヤバイ、気付かれた。俺の人生終わったな。……社会的に) 菫「……」カツカツカツカツバタンッ 淡「ちょ、ちょっとスミレン!? なんでアーチェリー持ち出してるの!」 菫「うるさい離せ大星。あいつを殺して私も死ぬ!」 京太郎(扉の向こうから声が聞こえる…… 俺、生命的にも死ぬかも) 照「みんな、菫を落ち着かせといて……」キィ 京太郎「て、照さん……!」 照「京ちゃん……? やっぱり京ちゃんだったんだ」ギュッ 京太郎「ててて照さん! いきなりそんな抱きつかないでください!」 照「ごめん…… でもなんでこんなところに? それにその制服……」パッ 京太郎「実は今週から白糸台に転入してきたんですよ」 照「本当? じゃあ前みたいに一緒に学校通えるの? また一緒に暮らせるの?」 京太郎「まるで以前同棲してた時期があるかのように言うのは止めてください。誤解を招きます」 照「だけどなんで麻雀部に? 京ちゃん麻雀しなかったはずじゃ……」 京太郎「高校から始めたんですよ。咲達と一緒に」 照「咲……」 京太郎「そう言えば照さん、咲と喧嘩してるんですっけ?」 照「うん…… でも今度は咲が口を聞いてくれなくなるかも」 京太郎「え? なんでですか?」 照「……京ちゃんの鈍感」ジトッ 京太郎(なんで俺が睨まれてるんだ? だけど照さん、こんな表情も可愛いなぁ) 照「……そんなに見つめられると照れる」 京太郎「ハハ。『照』さんだけにってですか」 照「京ちゃん……オヤジ臭い」クスッ 京太郎「結構傷つきましたよ今の!」ガーン 照「ふふっ」 京太郎「でも、照さんとこうして話すのも本当に久しぶりですね。照さん、なにも言わずに東京行っちゃうし」 照「それには理由が……」 京太郎「理由?」 照「……それはあとで話す。それより、みんなに京ちゃんのことを紹介する」 京太郎「あっ。そういえば。 ……怒ってないと良いですけど」 照「……怒ってると思うよ」 京太郎「ですよね~」 照「でも、きちんと謝れば菫も許してくれる」 京太郎「あの長髪の美人な先輩、菫さんって言うんですか」 照「京ちゃん……」ムゥ 京太郎「あれ? どうしたんですか顔なんかしかめて」 照「……菫に京ちゃんが故意で覗いてたって言いつける」 京太郎「殺す気ですか!? 文字通り蜂の巣になっちゃいますよ俺!」 照「それなら態度を改めるべき……」 京太郎(俺はなんで照さんの機嫌が悪くなったのか分からないまま、照さんによってチーム虎姫に紹介してもらった) 京太郎「こんにちは。今週から白糸台に転校してきた須賀京太郎といいます。えー、照さんには幼い頃からお世話になってまして……」 淡「へー。テルーにこんなかっこいい幼馴染がいたなんて、私ファーストイヤーだよ」 京太郎(この子も可愛いなー。なんていうか、凄い純真な感じがする。しかも今かっこいいって言ったよな! いやっほう! 俺にも春が来ましたよ師匠!) 菫「そういえば照が一年のとき、『長野にフィアンセを残してきた』とかなんとか戯言を言っていたが、それが君か」 照「戯言……」ガーン 京太郎「えっと、菫さんでしたっけ。さっきは本当に済みませんでした!まさか着替えてるとは思わなくて」ズザッ 菫「い、いや。こちらこそ見苦しいものを見させてしまったな」 京太郎「いえ! 見苦しいなんてとんでもありません! 眼福でした!」 尭深「欲望に正直ですね……」ズズッ 菫「も、元々部室は着替えるための場所ではないしな。麻雀部はユニフォームがあるわけでもないし。……悪いのは悪のりしたこいつらだ」ギロッ 誠子「わ、私は淡が始めたから仕方がなく……」 淡「ひどいよセイコー! 私の所為にするの!? テルーもセイコーもノリノリだったじゃん!」 菫「お前ら三人ともだ!」 照「菫は冗談が通じない……」 菫「それに須賀くんも!」 京太郎「は、はい!」 菫「見てしまったものは仕方ないがすぐに声をかけるとかドアを閉めるとかはできただろう。何故ずっと傍観していたんだ?」ゴゴゴ 京太郎(この人美人だけど怒ると怖いなぁ。……ここは正直に言うべきか) 京太郎「あまりにも魅力的だったんで、目を逸らすのを忘れてしまいました……」 菫「なっ! なななっ!」カァァァッ 尭深「弘世先輩落ち着いて」ズズッ 菫「君は良くもそんな恥ずかしいことが言えるな!」 京太郎「済みません。でも、本心ですので」 菫「……ぁ」カァァァッ 淡「スミレン顔真っ赤だよ~? 可愛い~!」 照「京ちゃん……」ギュルルル 菫「茶化すな! ゴ、ゴホン。それで? 須賀くんはなんのようでここにきたんだ?」 京太郎「ああ。男子麻雀部を探しに来たんです」 尭深「……男子麻雀部ならもうないですよ?」 京太郎「ええ!? ……部長が言っていたのは本当だったのか」 菫「須賀くんは麻雀部志望だったのか」 京太郎「ええ。今渋谷先輩、『もう』って言いましたよね。前は男子麻雀部あったんですか?」 照「うっ……」 菫「一昨年までな」 京太郎「何故なくなったんです?」 誠子「京太郎にその原因となった4・12事件のことを教えてやろう」 京太郎「4・12事件?」 誠子「4・12事件とは一昨年、宮永先輩と弘世先輩が入学したときに怒った事件だ」 照「誠子、その話はやめて……」 誠子「そのときは白糸台高校女子麻雀部はまだそんなに強くなくてな。女子の部員数も少なかった」 京太郎「以外ですね。今はこんなに部員数がいるのに」 誠子「その頃の女子部員は男子の練習に混じってやっていて、宮永先輩や弘世先輩も例外じゃなかった」 照「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 誠子「当時から化物染みていた宮永先輩はあろうことか――男子部員全員をハコにしたんだ」 京太郎「えっ?」 誠子「日頃から努力を重ね、西東京代表として全国大会に出場したレギュラーの選手までハコにされ、男子部員の心は完全に折れた」 照「ううう」 誠子「ハコにされた男子部員はなにもない虚空を見つめしきりに『あいつから虎のオーラが見えた』と呟いていたそうだ」 京太郎「ってことはレギュラーにつけられてるこの虎姫っていう通称は……」 誠子「そうだ。この事件からきている」 菫「もっとも、私達が一年の頃には違う通称だったがな」 淡「どんなんだったの?」 菫「『王虎』。それが白糸台女子麻雀部一軍の通称だった」 淡「かっこいいー! そっちの方が強そうじゃん! なんで『虎姫』になったの?」 菫「照が気に入らないと言ってな、無理矢理『姫』という字を付け加えたんだ」 京太郎「照さん意外と可愛いもの好きですもんね」 照「それだけじゃない……」 京太郎「え?」 照「京ちゃん、昔咲と三人でおままごとやってたの覚えてる?」 京太郎「え? ああ、確か咲の要望でずっとシンデレラをやってましたね」 照「そう。咲はずっとお姫さまで、私はずっと意地悪な姉だった……」 菫「照…… それは流石に可哀想だな」 照「『お姉ちゃんはお姉ちゃんだからお姉ちゃんの役やってね』って……」 誠子「それはひどい」 照「だから、ずっと京ちゃんに姫って呼ばれてた咲が羨ましかった。それが理由」 京太郎(照さん……) 京太郎「……姫」スッ 照「え?」 京太郎「済みません。ずっと近くにいたのに気付いてあげられなくて。これからは一緒の高校に通うんですから毎日でも呼ばせてもらいますよ」ニコッ 照「京ちゃん……」グスッ 菫「のろけはそこまでにしてもらおうか」イラッ 菫(全く。さっき私を魅力的だと言っておいて、すぐに照にデレデレして……) 菫(いや、それ以前になんで私イライラしてるんだ? ……そうか! 色んな女性に不誠実に接する須賀くんに怒っているのか! 私は風紀にはうるさいからな) 菫「大丈夫。大丈夫だ」 誠子「どうしたんですいきなり? なにが大丈夫なんですか?」 菫「いや、なんでもない。……須賀くん。言っておくが、節操がないのは良くないぞ」 京太郎「え? ああはい。気をつけます」 尭深「……そういう経緯があって、男子麻雀部は牌を握れなくなって解散したんです。そのあと作り直そうとする生徒も出てきてませんし……」 京太郎「そうなんですか……」 照「私の所為で……」 京太郎「照さんの所為じゃないです。その人達が本当に麻雀が好きならまた始めますよ。それに、俺は本気で戦ってもらえない方が悲しいです」 菫「それは言えてるな。残酷なもの言いになるが、あそこで心が折れるならあの人達はそこまでということなんだろう。照。お前が全力を出さなかった方がよっぽど失礼だ」 照「京ちゃん、菫……」 京太郎「俺なんて累計百回以上はとばされてますからね。慣れたもんですよ」ヘヘッ 淡「京太郎。それは自慢げに言うことじゃないよ」 京太郎「ところがそうでもないぜ? そのおかげで俺は強くなったんだから」 尭深「……それでどうするんですか? 男子麻雀部」 京太郎「そうですね…… また一から作り直しますかね」 尭深「……それは難しいと思います」 京太郎「どうしてですか?」 尭深「……女子とのレベルの違いに絶望して、入ろうと思う男子が少ないから」 淡「あー。確かにそれはあるかも」 京太郎「そうか……」 菫「……取り敢えず、今日は私達の練習を見ていったらどうだ?」 京太郎「え!? 良いんですか?」 菫「同じ麻雀好きの同志をこのまま手ぶらで帰すわけにもいかないからな。ちょうど今からCルームで無差別特打ちをやる。もし良かったら見ていけ」 京太郎「はい! よろこんで!」 白糸台高校麻雀部Cルーム 菫「みんな良く聞いてくれ。今から毎週恒例の無差別特打ちを始める。二軍だろうとレギュラーだろうと遠慮なく倒せ。全てのレギュラーはこの場で勝ち取ってきたんだからな」 キャー! ブチョー! カッコイイー! ケッコンシテー! 京太郎(菫さん、凄い人気だな……) 菫「そして今日はこの一年生が見学するが気にせずいつものように打ってくれ」 ネェネェイガイトカッコヨクナイ? カワイイー! 麻雀部員A「あ! あのときの!」 京太郎「あ、あのときはどうも」 菫「なんだ? お前ら知り合いか?」 京太郎「ええ。ここで道に迷ったときに」 菫「そうか……」 菫「ではみんな卓についてくれ。あとレギュラーを取り合うのはやめろ。そのうち圧死する」 京太郎(菫さんのその言葉を封切りに全ての卓で対局が始まったのでしばらくそれを眺めていた俺だが、途中でついに雑用の波動に目覚めてしまった) 京太郎(こんだけ広い建物だ。まずは掃除だな) 京太郎(一旦Cルームから退出し、建物全体を見て回る。……やっぱり広いから掃除が行き届いてないな) 京太郎(掃除用具を探してみるが、あったのは箒、ちりとりくらい。全く。前に龍門渕でバイトしたときにはこれの百倍は種類があったぞ) 京太郎(その他も酷い。無料で使えるジュースボックスもオレンジジュースは切れかかってるし、午後の紅茶も賞味期限ギリギリだ) 京太郎(俺は建物内を全部見終わると、買い出ししないといけないものをメモにまとめCルームに戻った) 京太郎「菫さん。お忙しいところ済みません、お願いがあるのですが……」 菫「いや、ちょうど今半荘が終わったばかりだ。それで? お願いとはなんだ?」 京太郎「買いだしたいものがあるので部費をお預かり出来ませんでしょうか?」 菫「部費を? あーオレンジジュースとかが確かに切れかかってたな。だがそんな雑用を君にやらせるわけにはいかないさ」 京太郎「良いんですよ。慣れてるんで。遠慮しないでください」 菫「君がそこまで言うのだったら……頼ませてもらおうかな」 京太郎「はい! お任せください!」 菫「部費はさっきの虎姫専用部屋の金庫の中にあるからな。もちろん、領収書は忘れずに頼む。暗証番号は4110だ」 京太郎「分かりました! でもそんな重要な番号、俺に教えて良かったんですか?」 菫「信用してるからな。君は天地がひっくり返っても横領などはしなさそうだ」ニコッ 京太郎(この人が笑ってるの初めて見たけど……) 京太郎「……菫さん。元々美人ですけど、笑うともっと可愛いですね」 菫「ななななにを言っているんだ君は! 良いから早く行ってこい!」ボンッ 菫(なんなんだこいつは! いつも油断してるときにこんなっ……嬉し、いや恥ずかしいことを) 麻雀部員C「部長? どうしたんですかにやけて? なにかあったんですか? それに顔も真っ赤ですし……」 菫「見るなぁ! 射抜くぞ!」 麻雀部員C「ひぃ! す、済みませんでした!」 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/02(金) 03 23 27.52 ID zkQuonkd0 済みませんこのスレは落としてください 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/02(金) 03 28 20.99 ID zkQuonkd0 研究会の先輩がプログラミングの宿題が終わらないから手伝ってくれとアパートまで来たので、今夜は徹夜で作業しなければならなくなりました ボリューム的にはまだ10分の1くらいなのでまた新しく立てたいと思います
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 久「そう。インターハイも終わって夏休みも残り少ないけど後身育成の為にね」 和「合同と言うことはまた以前の3校ですか?」 久「いいえ。今度は別の学校よ」 まこ「ほう。いったい何処とやるんじゃ?」 久「なんとあの白糸台! そしてもう1校、阿知賀女子が来るわ」 咲「白糸台!? それってお姉ちゃんの」 久「ええ。話を持ち掛けてくれたのは阿知賀の赤土先生なんだけど、じゃあ一緒にどうかって白糸台に連絡を取ったら先方も是非にって」 咲「わぁ、じゃあ久し振りにお姉ちゃんに会えるんですね」 優希「咲ちゃん嬉しそうだじぇ!」 和「よかったですね。咲さん」 咲「うん! ありがとう、優希ちゃん和ちゃん」 咲「あ、でも……合同合宿って事は京ちゃんは……」チラッ 京太郎「あ、はは……まぁ俺に気にせずみんなで行ってきてくれよ」 久「ああ、今回は須賀君にも参加してもらうから」 久以外「えっ!?」 久「言ったでしょう? 後身育成の為の合宿だって」 久「須賀君も立派な部員なんだから。もっと強くなってもらわないとね」 和「けど、私達は構いませんが先方は大丈夫なんでしょうか」 久「その点もだーいじょーうぶ。バッチリ許可を取ってあるから」 久「雑用を任されるって言ったら二つ返事でOKしてくれたわ」 京太郎「あはは、はぁ……雑用するのは確定なんですね」 久「そりゃ唯一の男手なんですもの。頼りにしてるわよ男の子」 京太郎「はぁ……わっかりました! 雑用でもなんでもやりますから是非連れて行ってください!」ペッコリン 久「よし! 良い返事ね」 咲「よかったね京ちゃん!」 和「頑張りましょうね須賀君」ニコ 京太郎「ああ! ありがとな咲、和」 優希「これで少しは成長してくれれば京太郎も練習相手になるんだじぇ! 今のままじゃよわよわ過ぎてただのカモだじぇ」 和「優希、そんな言い方をしてはダメですよ」 京太郎「はん! 見てろよ今にお前より強くなってやるからな!」 優希「ほほう! このゆーき様より強くとは大きく出たもんだじゃ」 まこ「くく、まぁ練習相手云々は置いておくとして合宿の間お前さんをシゴけるのかと思うとなかなか楽しそうじゃの」ククク 京太郎「う、お、お手柔らかにお願いします」 久「はいはい意気込みもいいけどこっち注目」パンパン 久「合宿は3日後。はぐれても行けないからいったん学校に集まること。良いわね咲?」 咲「な、なんでそこで私に振るんですかぁ?」 咲以外(そりゃ……) 京太郎「じゃあ当日の朝は俺が迎えに行ってやるよ」 咲「学校までなら迷わないよ!」プンプン まこ「はいはいじゃれないじゃれない」 咲「じゃれてません!///」 久「と、まぁそう言うわけだから明日から当日まで部活はお休みね準備とかもあるでしょうし。いいわね」 久以外「はい」 久「じゃあこれで今日の部活は終了。解散!」 全員「お疲れ様でした!」 ――――― ――― ― 1年生が帰った後 まこ「のう久、この合宿ってのは」 久「相変わらず聡いわね。そうよ」 久「あの子達のおかげで夢の全国制覇を達成できたこれはそのちょっとしたお礼よ」 まこ「また回りくどい事を、素直に慰安旅行だと言えばよかろうが」 久「嫌よそんなの、なんか……恥ずかしいじゃない///」 久「それに合宿って言うのも別に嘘ってわけじゃないわ。ただそういう言い方も出来るってだけよ」 まこ「はいはい。お前さんがそう言うならそういう事にしとくか」 久「あ、なにその言い方、可愛くない」 まこ「はいはい。さーてわしも帰るとするか」 久「早!? あ、ちょっと待って」 まこ「ほれ、はようせんか」スタスタ 久「言いながら置いていかないでよ! ちょっとまこー!」タタタ ガチャ、バタン!、カチャン 電車に揺られバスに揺られやって来ました合宿場。 京太郎「へぇ、なかなか良いとこですね。落ち着いた感じで」 まこ「なんじゃノスタルジックな感じじゃの」 優希「そんなことより早く行こうじぇ!」 京太郎「そうだな。…………ん?」 優希に促がされながら歩き出そうとするとあるものが目に留まる。 その名も自動販売機。 京太郎「ふむ……」 逡巡、後の閃き。 京太郎「すまん。ちょっと待っててくれ」 咲「京ちゃん?」 咲の声を半ば無視しつつ、俺は自販機に硬貨を投入。 ボタンを押して商品を取り出す。うえぇ熱い。 和「飲み物ですか? それなら私、水筒にアイスティーを入れてきましたけど」 日傘を差した和がそういって少し手荷物を振ってみせる。 優希「うわぁしかもホットコーヒー。京太郎、暑さでとうとう頭までやらっれちゃったじぇ」 京太郎「ああ、これはこれで良いんだよ。その内わかる。和のは後の楽しみにさせてもらうよ」 和「はぁ……」 要領を得ないと言った感じだ。でしょうねぇ。 久「あなた達、しゃべってると置いてくわよ」 1年生「はーい」 旅館前 その玄関先でごろ巻いてるあの集団は、 久「弘世さん」 菫「! ああ、竹井部長か。先週の電話以来だな」 振り返ったのは白糸台の部長である弘世先輩。 照「咲、久し振り」 弘世先輩と並んで咲のお姉さんである照さんが振り返る。 咲「うん。直に会うのは久し振りだねお姉ちゃん」 咲は照さんに会えて本当に嬉しそうだ。 照「咲、少し見ない間にまた大きくなって」 咲「やだお姉ちゃん、親戚のおばさんみたい」クスクス 2人もいろいろあったが今となってはそれも過去。気兼ねなく話せている。 美しい姉妹愛だ。 誠子「お久し振りです!」ペッコリン 尭深「お久し振りです……」ペコ 亦野先輩と渋谷先輩が挨拶とともに会釈をしてくるのでこちらもそれに応える。 そして残りの1人は…… 淡「サキー! ユッキー! ノドカー! 久し振りー!!」 さーてうるさいのが来たぞぉ。 周囲を見て回っていたんであろう一際やかましいのが向こうから突っ走ってくる。 淡「わーい!」ダキッ 咲「わわ、もう淡ちゃんってば」 和「お久し振りです淡さん」 優希「久し振りだじぇ!」 淡「うん! 2人とも久し振り!」 女の子が4人でニャンニャンしている。 微笑ましい。 淡「お?」 再会の挨拶もそこそこに、俺に気付いた淡がこちらに近付いてくる。 淡「よ!」 京太郎「おう」 かっっる…… 淡「ふーん、ほーう……」ジロジロ なんすか? 淡「やーい荷物持ちー」ケラケラ 京太郎「うっせ、力仕事は男の仕事なんだからいいんだよ」 淡「”男の”じゃないでしょ、”キョータローの”でしょ」ケラケラ 淡「それより私喉渇いた。なんか買ってきて」 京太郎「ああ、そんなことを言い出すんじゃないかと思って用意してあるよ。ほれ」 そう言って俺は先程買った缶コーヒーを差し出す。 淡「うえ、コーヒー……しかもホットで無糖。これやだ! 苦いもん」 京太郎「そうだと思ったから買った」 淡「むぅ~!」ブンッ 京太郎「おわっ!? おま、投げるなよあぶねぇな!」 こいつ、中身の入ったスチール缶を全力投球しやがった。 相変わらず無茶苦茶な奴だな。 菫「おい淡、遊んでるなら置いてくぞ」 部長と話をしていた弘世先輩が淡を呼び付ける。 どうやら話は終わったらしい。 って言うかこのやり取りさっき見たな。 淡「あ、待ってよスミレー!」 先立っていた白糸台のメンバーに合流していく淡の後姿を見ながら俺は地面に転がるスチール缶を拾い上げる。 照「じゃあまた後で」 淡「また後でね! サキ!」 咲「うん、また後で」フリフリ 淡「……」 淡「キョータローのアホ! べー!」 あっかんべーをした後そのまま照さん達に付いて建物の中へ入っていく。 まったく、やれやれだぜ。 久「じゃあ私達も部屋に荷物を置きに行きましょうか」 和「はい」 部長に促がされて歩みを進める清澄の面々。 咲「見てたよ京ちゃん。ダメだよああいうの」 京太郎「いやいや咲さん。あれは俺らなりのコミュニケーションでしてね」 和「どこの地域限定のコミュニケーションですか」 京太郎「き、今日の和は突っ込み厳しいね」 prrrrrrr 咲「ケータイ?」 優希「誰だじぇ?」 京太郎「すまん俺だ。ん、っと……」 ズボンの後ポケットに突っ込んでいて携帯電話を取り出そうとするが荷物が邪魔で上手く取れない。 咲「片方持つよ」 京太郎「あ、すまん」 咲に荷物を分担してもらい、俺は取り出した携帯電話の液晶を眺める。そこには『赤土先生』の文字。 嫌な予感がする。 京太郎「はいこちら宇宙大統領。イタズラ電話の場合は銀河的に抹殺……」 晴絵『もしもし須賀君? 私、赤土だけど』 京太郎「あ、はい。須賀です。はい」 もっと乗っかってきてほしかった。 晴絵『悪いねー急に。今どこ?』 京太郎「今ですか? ちょうど玄関前ですけど」 晴絵『お、タイミング良いねぇ。じゃあ裏の駐車場までヨロ』 京太郎「え?」 晴絵『そんじゃね、待ってるから! よろしくー!』ガチャッ、ツー…ツー… そして唐突に切れた。 台風みたいな人だ。 咲「京ちゃん?」 京太郎「デートに誘われましたー」 咲「え!? デートって、ええっ!!??」 久「モテること」 咲「デートって、え!? 京ちゃん私聞いてい、聞いてないよ!?」 和「落ち着いてください咲さん。あれはどう見ても用事を押し付けられただけです」 咲「あ、え、そ、そうなの? 京ちゃん」 京太郎「まぁ、はい。そうなんだけどね」 まこ「で、誰からだったんじゃ?」 京太郎「阿知賀の赤土先生が。なんか駐車場まで来てほしいって」 まこ「駐車場か。地下駐車場じゃなくてよかったの」 京太郎「地下?」 まこ「いや気にせんでいい」 久「駐車場ってことは車までってことね。とするとなにかの荷物運びかしら」 京太郎「おそらく」 和「どうします? 私達も行きますか?」 京太郎「いや特になにも言ってなかったしたぶん俺だけで良いと思う。みんなは先に荷物降ろしてきてくれよ」 咲「じゃあ京ちゃんの荷物は私が運んでおこうか?」 京太郎「いいよいいよ、別に。玄関ホールのどっか適当に置いといてくれれば」 咲「でも……」 久「咲。ここは須賀君を立ててあげましょう。きっと須賀君の1ミリ程のプライドが許さないのよ」 事実その通りだけどそういわれるとなんか悲しい。 咲「わかりました。じゃあ京ちゃん、用事が済んだらお昼、一緒に食べようね」 京太郎「おう!」 女衆が引き上げていくのを見送った後、俺は1人建物の裏手に回る。 コンクリで綺麗に舗装された駐車場にはほとんど車が停まっていない。 俺は視界を巡らせ目当ての人物を探す。いた。 晴絵「やぁ、悪いね。わざわざ」 京太郎「どうも、お久し振りです」 晴絵「はい、お久し振り。で、早速で悪いんだけど」 そう言って先生は車の荷台を開ける。 晴絵「これ、運んでもらって良いかな?」 なんだこりゃ、いや日本人なら誰でも知ってるようなものだけどなんでこれが今ここに? 京太郎「なんですかこれは?」 晴絵「なにって、炬燵だけど」 京太郎「それは把握してます(直伝)」 晴絵「悪いんだけどそれ、上まで運んでってくれない」 京太郎「はぁ、まぁ良いですけど」 なんで炬燵。真夏に炬燵? いや待て、いるだろ。知り合いに1人。真夏でもこれを必要とする人が。 京太郎「これってやっぱり宥さんの?」 晴絵「そーそー、大正解」 っしゃーっ!! なんかやる気出て来た。 京太郎「OK! 任してください」 晴絵「君ならそう言ってくれると思ってた! よ! 男前!」 京太郎「よしてくださいよ! おだてられると調子に乗るタイプなんで」 晴絵(だからおだててるんだけどな~) 京太郎「それじゃあ、よっと」 掛け声で勢いをつけて一気に持ち上げる。あ、あんまり重くない。 京太郎「これなら炬燵布団も一緒に持っていけそうですね。どこですか?」 晴絵「へぇ、素直に驚いた。結構力持ちなんだ」 京太郎「そりゃあ、日々のあれこれの賜物ですよ」 晴絵「じゃあ、ホントに悪いんだけどよろしくね」 京太郎「はい。任されました」 同行していた赤土先生と途中で別れ、宥さんと玄さんの宿泊する部屋に向かう。 京太郎「え、っと確かこっちだよな」 ?「京太郎?」 お、この声は…… 京太郎「鷺森先輩、トゥーッスッ!!(舎弟風)」 京太郎「お久し振りッス!! お変わりないッスか!?」 灼「うん、久し振り。……その荷物、宥さんの?」 京太郎「うッス!!」 灼「ならそこを真っ直ぐ行ったところだよ」 京太郎「アザッリャッスッ!!」 灼「じゃあ私、ハルちゃんの所に行くから。がんばって」フリフリ 京太郎「トゥーッスッ!!(舎弟風)」 去っていく鷺森先輩が見えなくなってから下げていた頭を上げる。 京太郎「さて、行こうか」 コンコン <ハーイ 京太郎「失礼しま~す」ソロ~リ ノックの返事を聞いてゆっくり戸を開く。 宥「あ、京太郎君」 京太郎「どうもどうも、お久し振りです宥さん。本日もご機嫌麗しゅう」 宥「うん。久し振り」ニコニコ そろそろ久し振りという単語がゲシュタルト崩壊してきそうだ。 京太郎「1人ですか?」 部屋で1人座っていた宥さんが立ち上がり出迎えてくれるが、我がベスト・オブ・マイフレンズの姿は見えない。 宥「うん。玄ちゃんは穏乃ちゃんや憧ちゃんと一緒に、和ちゃん達に会いに行ったよ」 京太郎「そうなんですか」 そりゃ残念。 宥「それ持ってきてくれたんだ。炬燵」 京太郎「あ、はい。赤土先生に頼まれて」 宥「そうなんだ。ごめんね? 自分で持って行くって言ったんだけど……」 申し訳なさそうにシュンとしてしまう宥さん。 なぜかこっちまで申し訳ない気持ちになってしまう。 京太郎「おっと、待ってください。俺はお礼を言われこそすれ、謝られるような事をしたつもりはないですよ?」 ちょっとキザったらしかったかな。 俺の言葉にしばしキョトンとした後、口元を押さえてクスクスと笑い出す宥さん。 宥「ふふ、そうだね。ありがとう京太郎君」 ああ、やっぱり女性の笑顔は良いね。明日への活力になる。 それが美人ならなおさらね。 京太郎「じゃあちゃっちゃと組み立てちゃいましょうか」 宥「ええ!? そんな悪いよ」 京太郎「いえ実はこう見えて僕、炬燵の組み立てが趣味でして1日に1回は炬燵組まないと気がすまないんですよ」 宥「ええ~」 京太郎「ほらほら、ちゃっちゃとやりますよ。ちゃっちゃっちゃっと」 宥「わわわ、私も手伝うよ~」 そんなこんなで炬燵完成。 部屋の隅の邪魔にならない場所に設置。そこはまさに宥さんだけの聖域。 宥「よかったら京太郎君もどうぞ」ニコッ 京太郎「あ、これはご丁寧にどうも」ペコ ゴソゴソ あ~ 宥「あったかいね~」ニコニコ …………………………………………あっつ。 やっべぇ、これやっべぇ。 宥「~♪」ホコホコ 京太郎「……」ダラダラ つい流れでご一緒することになってしまった。 いや、宥さんとご一緒するのはやぶさかではないのだがこれはちょっと。 京太郎「……」チラッ 宥「?……」ニコ 微笑まれてしまった。 普段の俺なら「暑い!もうお家帰う!」といって跳び出しているところだが、が! そんな俺を見たら宥さんはどう思うよ? 涙目ぞ? 故意に宥さんを悲しませようと思えるほど俺はまだこの世界に絶望しちゃいないが、はてどうしたものか。 尭深「……」 な ん か 1 人 増 え て る ! 尭深「……」ジョー ティ○ァールですか、なかなか良いポットを使ってますね。 尭深「あの……お茶、どうぞ」スス 宥「あ、どうも~」 尭深「須賀君も」 京太郎「あ、すみません。ありがとうございます」 宥「……」ズズズ 宥「あったか~い」 平然と飲んだ。そしてめっちゃ幸せそうな顔してる。可愛い。 尭深「……」フーフー、ズズズ 湯のみ両手で持ってめっちゃフーフーしてから飲んでる。可愛い。 京太郎「……」ズズズ …………………………………………あっつ。 その後、なんかすごい3人でお茶飲んだり積み木やったり趣味の園芸(録画)を見たり、 治安警察特殊機動隊(ユーバーファルコマンド)との激闘だとか、ラインアーク攻防だとか、第6聖女がうんぬんかんぬんだとか、 俺と宥さんと渋谷先輩の三角関係からなるラブロマンス(願望)だとか、 もうアカデミー賞とかバンバン取っちゃう位の大スペクタクルが展開されたが割愛。 まぁこれで夏休みの絵日記の宿題に書くネタが出来たからよしとするか。そんな宿題ないけど。 で、今は3校全員がホールに集まっている。 咲「京ちゃん、大丈夫だった?」 京太郎「ん? ああ、なんか炬燵運ばされたけどただそれだけ。平気ヘーキ」 優希「この万年発情期の犬はすぐ他所の女の子と仲良くおしゃべりし出すからな。きちんと見張ってないとダメだじぇ」 京太郎「しゃべるのもダメなのかよ。大体ここ俺以外みんな女の子じゃん」 まぁ1人、年季の入った女の子がいらっしゃるけど。 京太郎「逆に俺が1人で壁に向かってブツブツしゃべってたらどう思うよう? 嫌だろ? 同じ部活の仲間的に」 優希「あー……」 咲「ち、ちょっとイヤだね……」 和「咲さんよく考えてください。だいぶ嫌です」 清澄カルテットで相変わらず中身のない雑談に耽っていたが、それも自然に収まりそれに合わせてか場がシンと静まる。 久「コホン、この度は3校合同合宿にお集まり頂き誠にありがとうございます」 穏乃「こう言うのって先生がアイサツとかするもんじゃないんですか?」ヒソッ 晴絵「良いの良いの。先生は生徒達の自主性を重んじる派だから」ヒソ 憧(面倒だっただけじゃないでしょうね……) 久「移動の疲れもあることと思いますので今日は自由行動ということで、よろしいでしょうか」 和「聞き覚えのある挨拶ですね」ヒソヒソ まこ「考えるの面倒じゃったんじゃろ」ヒソッ 久「それと、今回はうちの須賀君が参加することになりましたので。よろしくお願いします」 部長の言葉に自然と全員の視線が俺に集まる。 俺は一歩前へ。ぐるっとみんなの顔を見回 淡「……」ムスー なんかすげー目してる奴がいるんだけど。 穏乃・玄「……」ニコニコ、フリフリ にこやかに手を振ってもらえた。天使や。 淡「ふん……」プイ 京太郎「えっと、この度は俺の参加を認めて頂いてありがとうございます」 京太郎「えー麻雀とかいろいろ不慣れ、不勉強なことも多いでですがご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」ペッコリン <ワー、パチパチパチパチ 久「まぁ本人もこう言ってる事ですので、皆さんもビシビシこき使ってあげて下さい」 京太郎「任せてください! やりますよ俺は」 久「お、やる気満々ね男の子」 京太郎「もちろんですよ」 京太郎「なんか前回、長野でやった4校合同合宿で俺だけハブられましたけれど」 京太郎「それでも俺は部長に着いて行くという忠誠心の高さと心の雄大さここぞとばかりにアピールしていくって」 京太郎「そういう気概なんで!」 白糸台「……」ジトー 阿知賀「……」ジトー 久「ちょっ!? 須賀君あなたなに言ってるのよ! 違、みんな違うの! 仕方なかったの!」 久「だって来るのはみんな女生徒なのよ! 今回のが特例なの! やめて、私の悪者にするかのようなそんな目で私を見ないで!」 部長孤立! 経済制裁。 京太郎「……」 久「あなたも黙ってないでなにかフォローしてよ!」 京太郎「え? あー、大丈夫です! 俺、部長のこと尊敬してます!」 久「……」 久「なにが!? あなた連れて来てあげた恩を忘れてるんじゃないでしょうね」 京太郎「や、まぁそうなんですけど。けど言う時は言わないと」 久「良い度胸ね。須賀君は後で反省室に来るように」 え? ここそんなのあんの? まこ「はいはい。そこら辺にしときんさい。お前さんらが漫才始めたら日が暮れるわ」 それを言われたら反論の余地がない。 まこ「それじゃあ、堅苦しい挨拶はこの辺にして解散ということで」 全員「はい!」 染谷先輩が締めてこの場は解散となった。 咲「京ちゃん、さっきの約束」 京太郎「おう。昼飯のな、先に部屋に荷物置いてくるから待っててくれ」 宥さん達の部屋から直でこの場に来た為、俺はまだ自分の部屋すら確認していない。 部屋割りは、清澄、白糸台が5人部屋。阿知賀がティーチャー赤土を含む6人の大部屋らしい。 かく言う俺は1人部屋。まぁ個室って言うのも気楽でいいよね。 誰に気兼ねすることもない自由さと解放感、これは同室の人間がいては味わえない個室ならではですよね。 自己暗示で孤独感を誤魔化していたら俺の泊まる部屋に着いた。 まぁまぁゆーても外観が立派でしたし、きっと内装もなかなか趣のある…… …………………………………………せっま。 べぇ、まじやっべぇ。 これたたみ二畳くらいしかないですやん。これ。 布団敷いたらもうほとんどスペースないですやん。 部屋って言うか倉庫じゃん。 俺は部屋から顔を出して表を確認する。 『犬の間』 っと書かれていた。嫌なネーミングだ。 京太郎「いやいやいや、俺庶民だし? あんま広くても落ち着かないし? むしろこの閉塞感が心地良いし?」 狭い所が落ち着くのってなんでだろうねあれ? 自分を叱咤しつつ、この部屋唯一の特徴と言っても良い窓へと歩み寄る。 京太郎「ほら、窓を開ければこんな自然豊かな景色が……」ガラララ …………。 ガララ、ピシャ 京太郎「崖じゃねぇか」 もうこの時点で先行き不安なんだけど。 ガラッ 淡「……」 京太郎「? ……淡?」 今を生きる俺は部屋の間取りと言う5分前の絶望を過去へと追いやり、飯でも食って気持ちを落ち着けようと部屋を出た。 出た先には壁に凭れ掛かってる淡。 京太郎「どうした? 女子の部屋は向こうだろ? それとも俺になんか用?」 淡「あの、えっと……」 京太郎「ん?」 淡「さっきは、ごめん……」 京太郎「なにが?」 淡「だから、自分でもさっきの態度は酷かったかなって……だから……」 泣きそうな顔で、長く伸びた上質な金糸のような髪を弄っている。 京太郎「ちょっとごめん」ガラッ 断りを入れて一旦部屋に戻る。 淡「あ、え? なんで……!?」 戻ろうとするのを遮られた。 淡「やだ、怒らないで。謝るから! 嫌いになっちゃヤダ!」 京太郎「怒ってないから、ならないから。ちょっとだけ、な? すぐ戻るから」ポンポン 淡「ホントぅ?」 京太郎「ホントホント」 淡「絶対だからね?」 京太郎「おう!」 再び自室(仮)。 俺はわき目も振らずに窓へと駆け寄り盛大に開け放す。 うむ! 改めて見ても崖だ。 俺は肺いっぱいに空気を吸い込み、そして一気に解放した。 京太郎「可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 カワイイイイイイイ イイイイ イイ … おい、なんだあれあんな可愛い生き物おるんかい? ガラ 京太郎「悪い。待たせたな」 淡「///」 京太郎「なにモジモジしてんの? なんかキモいよ」 淡「っ…………もう! キョータローのアホ!」アワー! 京太郎「そーそーお前はそういう風に不遜な感じでいろよ。そっちのがお前らしい」ナデナデ 京太郎「まぁたまにはさっきみたいなしおらしいのも悪くないけどな」 淡「あ、う…………うん///」アワワ… 京太郎「よし! じゃあ飯でも食いに行くか」 淡「うん! えへへ」ダキ 京太郎「おわ!? おおい、いきなりしがみ付いてくるなよ」 さっきと打って変わって上機嫌な淡が腕に抱きついて来る。 淡「いーんだもーん!」アワワ! 京太郎「ったく、現金な奴」 まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。 淡「そだ、ついでにちょっとジュース買ってきて」 京太郎「おい、あんま調子に乗るなよ」 咲「……」 京太郎「買出しですか?」 久「そうなのよ。実はここ、食事は自炊なんだけどどうも備蓄が空みたいなのよ」 京太郎「なるほど。そこで俺の出番ってわけですね」 京太郎「優希、お前なに食べたい?」 優希「タコス!」 京太郎「でしょうねぇ。言うと思ったよ」 京太郎「他のみんなは?」 和「そうですね。なにか軽いものでお願いします」 京太郎「あいよ。じゃあ、そうだなぁ……」 京太郎「今から行って帰ってくるとそんなたいした物作れないし簡単に出来るサンドイッチかなにかにするか」フンフム まこ「すまんの。お前さんにばっかり雑用を押し付けて」 京太郎「気にしないでくださいよ。これはこれで結構楽しいんですよ」 まこ「ありがとうな。……っで、それはそうとさっきから気になっとったんじゃが」 久「ああ、うん。実は私も気になることが1つ」 京太郎「なんですか?」 「なんで、京太郎(須賀君)の腕に大星さんがしがみ付いてるの(んじゃ)?」 淡「えへへ、キョ~タロ~」アワスリスリ 優希「やっぱり京太郎は天然ジゴロだじぇ」 和「麻雀もこのくらい熱心に取り組んでくれればいいんですが……」 京太郎(ボロクソ言うなこいつら) 咲「……」 京太郎「うわ、無言の咲めっちゃコワッ!?」 優和ま久「……」ジトー、シラー 咲「……」 ああ、ing系で俺の信用とかなんかいろいろが低下している…… 照「話は聞かせてもらった」バーン!! な ん か ま た や や こ し い の が 来 た ! 菫「なんというか、その……すまない」 お付の人も来ちゃったよ。しかも第一声が謝罪って…… 苦労なされてるんですね。 久「え、えーっと……宮永さん?」 照「買出しに行くんでしょう?」 久「ええ、まぁ」 照「私も行く!!」ドーン!! 清澄「……」チラッ 菫「うう、すまない……」 京太郎「さ、作戦タイム!」 照「了承」 照さん(と淡)をいったん放置し、弘世先輩を加えた6人で顔を突き合わせて作戦を練る。 京太郎「どういうことですか弘世先輩!?」ヒソ 菫「わからん! 買出しの件で竹井部長や鷺森部長、赤土先生と相談せねばと言ったら突然自分も行くと言い出して」ヒソヒソ 菫「というわけで須賀、申し訳ないがよろしく頼む」ヒソヒソ ええ~また俺ぇ~? 京太郎「あの、そういう面倒ごと俺に丸投げするのやめて頂けません?」ヒソヒソ 菫「あれを制御出来るのお前と、妹さんだけだ。だからお前に頼らざるを得ない」ヒソヒソ まぁもう一方がこれだからな。 照←あれ 咲←これ 咲(今、酷い扱いを受けた気がする) 久「良いじゃない。人手は多い方がいいんだし」 さすが部長。他人を使うことには余念がない。 京太郎「そもそも、危険ですよ。知らない土地で宮永の血族を無闇に歩き回らせるのは」 咲「え? それ私も含んでるの?」 菫「う、うむ。それもそうか……」 京太郎「ダメですよ、きちんと管理しないと。この2人迷子の頻度が多いですから」 京太郎「ちょっと常軌を逸してるんで、その辺管理しないとやばいですよ」 照「まだ?」 しびれを切らした照さんが俺達が囲んでいた円陣を覗き込んでくる。 「……」 淡「~♪」 誰も何も答えない。あ、これ俺が交渉する流れだ。 京太郎「え~っとなんで照さんは自分から買出しを申し出たんですか?」 照「それは、えっと……」ワタワタ ジェスチャーでなにかを必死に伝えようとしている。 ふ~む。なるほどなるほど、なるほど~ 京太郎「お菓子なら買いませんよ」 照「…………え?」テルガーン! そんなこの世の終わりみたいな顔されても。 なんか久々に会ったら嗜虐心を擽られるなこの人。 照「どうしても?」 京太郎「どうしても」 照「なんでいじわるするの?」 京太郎「なんででしょうねぇ?」 黒目の縁の辺りがフルフルしてる。可愛い。 咲「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。私がお菓子持ってきたからそれ一緒に食べよう? ね?」ナデナデ 照「うん……」テルテル 京太郎「咲、そうやってお前が甘やかすからいつまで経っても照さんがポンコツなんだぞ」 咲「ううぅ……」 菫(この男、順当に宮永の血統に火をくべているな) 京太郎「なんつって」 照咲「……ふぇ?」 京太郎「お菓子ですね? もちろん買って来ますよ」 照「本当?」 京太郎「本当本当」 咲「よかったね! お姉ちゃん」 照「うん!」 ふぅ、好きな子に意地悪しちゃう系の小学生の心境が少し垣間見えたな。 しかしよかった。これでめでたしめでたしだな、うんうん。 咲「あ、そうだ京ちゃん」 京太郎「うん?」 咲「そう言えば、さ……」 京太郎「お、おう……」 なんだこの、得体の知れない悪寒は…… 咲「な ん で 淡 ち ゃ ん と ベ タ ベ タ し て た の ?」ゴッ 京太郎「え?」 咲「京ちゃんのぉ…………」 咲「バカァァァァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!!」ドゴォッ!! 京太郎「どぅごっふぉっ!?」 なんか……魔貫光殺砲みたいなエフェクトのボディブローが腹部に突き刺さった。 お前、ずっと気をためてたんか…… 優希「見え透いたオチだじぇ」 和「予想外という程のものではないですね」
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特別編 side白糸台 ※京太郎は昔から照と知り合いという設定です。日記発見から中身拝見までの流れは省略します ×月○日 少し前から、尭深さんの影響かお茶に凝っている ここ最近は、尭深さんと闘茶、まぁ、利き茶ともいうけど、とにかくそれをしている 負けた方が帰りにお茶に合うお菓子を奢るという条件でやっていて、お互いに結構真剣だ ここ最近は負けっぱなしで、お菓子を奢るついでに買い物の荷物持ちに付き合わされたり、料理の試食をしたり、いいところがない 今日なんかは部活が終わってから1日付き合うことになり、尭深さんの部屋であれこれやることになった 明日こそ負けないぜ!! 誠子「尭深、料理の試食ってそんなに料理下手じゃないだろ?」 淡「うん!こないだもらった卵焼きとかすっごく美味しかったよ?」 菫「お前、さらっと部屋にまで連れ込んで……」 照「尭深?ちょっと打とっか?」 尭深「何もしてませんよ?お茶飲んで、一緒にゆっくり過ごしただけですよ?」 尭深「……少し胸の露出度が多かったかもしれませんけど」タユン 照「麻雀を楽しもうか」ギュルルルル 菫「ちょっと来い尭深。今のは挑戦と受け取った」
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前話 次話 京太郎インタビューその5 全国大会の開会式を終えた、各県代表の女子麻雀部、その精鋭達。 彼女等の青春を賭けた戦いが、始まろうとしていた。 これは、その裏で陰ながら彼女達を支える一人へのインタビューである。 京太郎「なんですかその漫画の紹介文みたいなの」 テコ入れは必要かと思いまして。 京太郎「はぁ……」 今回もよろしくお願いします。SK君。 京太郎「よろしくお願いしまーす」 本日は全国大会の開会式でしたが、どうでしたか? 京太郎「モニター越しですけど、錚々たる陣営って感じでしたね。雑誌や動画にも出てる人達が一堂に会してるって、なんか現実感が無いですよ」 SK君も雑誌や動画に出られてますが? 京太郎「あはは。俺なんか話の内容ばっかで写真は隅っこで小さくですし、動画だってほんの少しの一部の人にウケてるだけでしょう?」 ……ちなみに動画をご覧になった事は? 京太郎「まぁ、アップが始まってすぐにちょっとだけ。やっぱ自分の動画の全部を繰り返し見るとか精神的にキツイですしね」 ……成程。 開会式では、S君はどうしていました? 京太郎「例に漏れず、咲の奴が迷子になってたので迎えに行きました」 やはりですか。 京太郎「探してる時に穏乃から「京太郎君とこの宮永さん見た! すごいプレッシャーだったね!」ってLINE来て、大体どの辺で見たか教えてもらって、見つけたのはボイラー室ですよ」 何故そんな所に迷い込むんでしょうね……。 京太郎「あいつほんとは迷子になってるんじゃなくて、魔王オーラ撒き散らしに行ってるんじゃないですかね……」 魔王オーラ。 京太郎「って本人に言ったら「そんなわけないでしょ!」ですって。「じゃあただポンコツなだけか」つったらムキーしだしたんで、あいつ自身ポンコツなのは認めてきてるんでしょう」 それはただ怒ってるだけでは……? 京太郎「そういえば、開会式中でなんですけど」 はい。 京太郎「咲を送り届けた後、会場で調理出来る場所に行ったんですよ」 そんな所があるんですか? 京太郎「はい。もちろん無断では使えないんですけど、俺が会場内で調理出来るよう部長が許可をもらってきてくれて」 部長さんにも心境の変化が訪れたんですか。 京太郎「? さぁ。でもこの前「S君に雑用任せちゃうのは避けられないけど、せめてちゃんとした場を用意してあげないと」ってブツブツしてたのは聞こえちゃいましたね。部長もちゃんと俺の事気に掛けてくれてんだなーって思いましたよ」 成程……。それで、そこで何かあったんですか? 京太郎「えーと、そこでちゃんと調理出来るか確かめる為に、一度使ってみようとお菓子を作ってたんですよね」 作れるんですか? 京太郎「ええ。やっぱ女子の差し入れは甘い物が評判良いとの事で、一通りは。で、作ってたら突如部屋の扉がバーンと開かれて「なんか美味しそうな匂いがした!」と言って誰かが現れまして」 誰か、というと、誰だったんですか? 京太郎「それがなんと、開会式中の筈の淡……白糸台の大将の大星淡だったんですよ」 淡? 京太郎「あー。まぁまた話してる内に、ですね」 S君は他人と距離を詰めるのが上手いですね。 京太郎「どうでしょう。今回は向こうがぐいぐい詰めてきた感じだし」 それで、何故選手の一人が? 京太郎「あいつが言うところによると「他のとこのくじ引きなんてつまんなーい。うちはシードだし、どこと当たろうとうちらに勝てるのなんていやしないしー♪」つって、抜け出してきたそうで」 王者だけあって、自信に満ち溢れてますね。 京太郎「というか、あいつは普通に自信家なんだと思いますね。悪意は無いと思いますよ。多分ね」 それで、その大星さんが調理室にやってきたと。 京太郎「はい。んで、俺を見つけるなりあんにゃろう「あ! 長野のパシリのS!」とか抜かしやがりまして」 本当に悪意は無いんですよね……? 京太郎「誰がパシリだって返したら「えー。でもパソコン山に運ばせるとかありえなくない? パシリじゃないなら……先輩が鬼?」とか言うので、じゃあパシリでいいよと」 ああ、天然で人を傷付けるタイプですね。 京太郎「初対面がそんな感じだったんで、他校の選手といえどあんま礼儀正しくするのもアホらしくなってきたから、放っといてお菓子作りに集中しようとしたら、近付いてきて「ねーねー、何作ってるのー?」と」 お母さんの料理中に尋ねてくる子供ですか。 京太郎「印象はその通りでしたね。で、作ってるお菓子を答えたら「マジ!? 作れんの!?」って目ぇキラッキラさせてるんですよね」 尊敬の眼差しを向けられたんですね。 京太郎「いえ、あの目は「作れるんならこの可愛い淡ちゃんにも寄越せ!」っていうタカリの目でしたね」 キラキラした瞳で何を訴えてるんですか。 京太郎「あんまり嫌味を感じないのが不思議でしたねー……。とはいえ、部費で買った食材だったのもあり、そのままくれてやるのも癪だったので、欲しけりゃ食材買ってこいやって言ったんですよ」 乱暴な言い方ですけど、まぁ当たり前ですね。 京太郎「ところが予想に反して「わかった! 何買ってくればいい!?」と」 何故そこだけ素直なんですか。 京太郎「いや、多分あいついつも素直ですよ。自分の感情に」 京太郎「それで必要な食材と量を言ったら、スマホにキッチリメモってダッシュで買いに行きまして、近くに買える所があったので割とすぐ戻ってきました」 パシリ根性全開じゃないですか。 京太郎「どっちかと言うとお菓子買ってきていいとお小遣い渡されて駄菓子屋に向かう小学生のノリでしたね。まぁそこまでさせといて断る訳にもいかんので、追加でお菓子を作ってやったんですよ」 好評でしたか? 京太郎「そうですね。持ち帰る分とはまた別にその場で食べる分も作って食べたら、若干オーバー気味に美味い美味いってリアクションしてましたから」 それが切っ掛けで仲良くなったと。 京太郎「あー、いえ。それもですけどそれじゃなくて、ですね」 ? 京太郎「食べてる時に向こうが「ねーアンタさ、ドラゴ○ボール語れるってホント?」と」 大星さんもですか。 京太郎「まぁ世界的な漫画ですしね。ファン度が俺や穏乃と同じくらいだった淡なんで、同士と分かればそこから仲良くなるのに時間はいりませんでしたよ」 意外といえば意外な所で共通点が出来るものですね。高鴨さんと大星さんも相性が良いのかもしれません。 京太郎「うーん……。どうでしょうね」 ? 何か引っ掛かるものでも? 京太郎「いえ、同じ作品が大好きなのはそうなんですけど、その中でも違いってのはやっぱりありますから」 というと? 京太郎「ドラゴン○ールはですね、主人公とライバルが合体する時があるんですけど、その合体にもバージョンが2つあるんですよ」 合体元が同じならどちらも同じでは? 京太郎「それもそうなんですけど、やっぱり違うっていう意見もあります。俺もそうですし。で、この合体でどっちが好きかと言えば、穏乃は断然ベジ○トで、淡は絶対ゴ○ータって言ってるんですよ」 はぁ…………。 京太郎「というのもあくまで一例で、作品内でどういうカテゴリなら何が好きかってので、この二人ほぼほぼ噛み合ってないんですよ」 同じ作品が好きでも、そこで喧嘩は起こる可能性は有り得ると。 京太郎「まぁどっちとも俺と解釈違いなとこはありましたけど、それで楽しく語り合えたので、大丈夫だと思いますけどね」 S君から見て、大星さんはどういう方でしたか? 京太郎「まーアホで口悪いからあんまり理解されないかもしれませんが、話してみれば天然で純粋な奴なのは分かりますよ」 すっかり悪友みたいな口振りですね。 京太郎「それと、注目して見るとあいつ意外と女子力高いんですよ」 というと? 京太郎「家庭的とはまた違うんですけど、爪先が綺麗だったり髪の手入れが行き届いてたり。あと振る舞いですね。他の女子だったら意識してやってる事を無意識にやってる感じで」 S君が見てきた他の女子よりも、女子力が高いと? 京太郎「いや、女子力単体でなら和……はちゃっとズレてる所ありますけど、福路さんとかの方が高いと見てるんですがね。淡はギャップってのも相まって結構目につくんですよ」 ギャップですか。 京太郎「あとLINEのコメントやスタンプの使い方がいちいち可愛くて、逆に腹立つんですよね」 どういう感情なんですかそれ。 白糸台といえば……踏み込んだ質問になるんですけど。 京太郎「はい?」 女子高校生麻雀の王者、宮永照さんと、そちらの清澄におられる宮永咲さん。同じ苗字ですが、もしかして親戚なのでしょうか? 京太郎「ああー……。一応姉妹みたいですよ」 姉妹。 京太郎「と言っても、諸々込み入った事情があるみたいで、踏み込んだ事は出てこないですけどね」 宮永照さんの方とは面識があるのでしょうか? 京太郎「いえ。俺と咲が会ったのって中学だってのは言ったと思いますけど、その頃にはもう別居しちゃってたみたいで」 出会った頃の宮永咲さんが他人と関わりたくなさそうにしていたのも、そこに関係していると? 京太郎「さぁ? ただあいつ、昔から家族の事については父親の事しか話そうとしないんですよね。それでもあいつポンコツだから、話の節々から母親も姉もいるらしい事は伺えたんですけど」 その姉が宮永照さんだと知ったのは、いつ頃ですか? 京太郎「高校からですね。しかもあいつ、俺より先に和に話してたんですよ? 今では部活のみんなに知れ渡ってますし、中学からの腐れ縁相手に薄情だと思いません?」 S君だからこそ知られたくなかったのかもしれませんが……。 京太郎「まぁ今ここでこうして話してる俺が言えた義理じゃないけど、咲にしろお姉さんにしろ、家族の事情ですし話したくない理由もあるんだと思うので、あまり聞かない方がいいかと」 ですが、友人の家族関係が不仲に思えるのは気になりませんか? 京太郎「ならないといえば嘘になりますが、地雷踏むのもなと思いますし、咲自身もこの大会を通してお姉さんと向き合おうとしてるんで、余計な茶々は入れない方がいいかなって」 見守ろうと決めていると。 京太郎「ま、あいつが何か助けてほしい事があるなら、出来る限りはしてやろうとは思います」 では、最後になにか一言。 京太郎「俺の持ちキャラはバーダ○クです」 前話 次話
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前話 次話 朝、インターハイ会場 和「少し早すぎましたか?」 京太郎「試合前だし、遅くなるよりいいだろ」 優希「でも咲ちゃんほっといてよかったのか?」 和「ええ。起きてすぐだったんで後で来て下さいって言いはしましたが」 京太郎「あいつなら今頃2度寝してるって」 咲「...zzz...zzz」 優希「さて、まずは花田先輩のとこだじぇ!タコスを差し入れれば先輩も大活躍!!」 京太郎「おまえ、照さん相手で大活躍できるのか?」 優希「……行くじぇ!」 京太郎「無視しやがった……」 和「須賀くんはどうします?花田先輩とも知り合いみたいですし、一緒に行きますか?」 京太郎「あー……俺は知り合いって言ってもつい最近知り合ったから遠慮しとく。2人はつもる話もあるだろうし、席でも取っとくよ」 和「そうですか。では、お願いしますね」 京太郎「おう、まかせとけ」 優希「じゃ、行ってくるじぇ!」 京太郎「さて、席取りもいいがまだ時間あるし、少し会場見とくか」 人気のない廊下 京太郎「ここはほとんど人がいないな」 京太郎「なんか咲や照さんが迷ってそうなとこだな」 誠子「あのーちょっといいですか?」 京太郎「はい?」 誠子「この辺りに、宮永照さんいませんでしたか?」 京太郎「照さん?見ませんでしたけど」 尭深「そうですか。ありがとうございます」 京太郎「……また、迷子ですか?」 誠子「え!?なんで分かって…」 京太郎「白糸台の人ですよね?照さんの幼馴染の須賀京太郎です」 尭深「幼馴染……ひょっとして、最近よく宮永先輩と電話してる?」 京太郎「電話が夜なら多分俺ですね」 誠子「あー、清澄かどっかの1年生って言うのは君か!」 京太郎「照さん、どこかに行くって言って消えました?それとも何も言わずに消えました?」 尭深「何も言わずに、だね」 誠子「もうすぐ試合なのに」 京太郎「だったら、売店かどこかの近くにいますよ? 尭深「そ、そうなの?」 京太郎「そういう消え方したら、なぜかお菓子とかある場所の近くをふらふらしているんです」 誠子「なるほど。よく分かるね?」 京太郎「昔からですから……」 尭深(疲れた弘世先輩と同じ目を) 誠子「とりあえずその付近を」プルルルル 誠子「あ、ゴメンちょっと出る。淡?え?見つかった!?……売店の周りをぐるぐる回ってた……ああ、分かった」ピッ 誠子「言った通りだった……」 京太郎「あの人も変わらないなぁ」 尭深「ありがとうね、須賀くん」 誠子「改めてお礼を言うよ」 京太郎「いやいや。何もしてませんって」 誠子「遅くなったけど、一応自己紹介しとこうか。私は亦野誠子。白糸台の2年生で副将やってる」 尭深「私は渋谷尭深。私も2年生で、私は中堅」 京太郎「ああ、2人とも照さんが電話で話してましたよ。いい後輩がいるって」 誠子「うれしいね、そう言ってもらえると」 京太郎「安心して後ろを任せられる、とか楽しそうに言ってましたよ」 尭深「宮永先輩がそんなことを……」 誠子「普段、麻雀に関しては的確なこと言ってくれるけど、そういうことは言わない人だしね」 京太郎「口には出さないだけで、結構色々考えてますからね」 尭深「うん、よく分かる。先輩のためにも、頑張らないと」 誠子「ああ。試合、頑張ろう」 京太郎「応援してますね」 自販機前 京太郎「ふぅ。やっぱり照さんすごいんだな、あんなに活躍して、後輩にも慕われてて」 京太郎「あーあ。俺もいきなり麻雀が強くなって活躍できたりしないかな」 京太郎「いや、無理か」 怜「いやいや、そんなことあらへんよ?」 京太郎「できねーって。いきなりトンデモオカルト能力にでも目覚めたりとかあるってか?」 怜「それがあったりするんよー。やってみる?やり方教えよか?」 京太郎「マジ!?頼むわ!」 怜「ええでー。まず死にかけます」 京太郎「無理だ」 怜「ですよねー」 京太郎「……いや誰だあんた!」 怜「失礼やなー。人に名前聞く時はまず自分からって言うやろ?」 京太郎「ああ、そうだったな。俺は…」 怜「ウチは園城寺怜って言うわー」 京太郎「先言ってるじゃねーか!」 怜「いやー、あんたおもろいわー」 京太郎「そりゃどーも。俺は須賀京太郎。清澄高校の1年生だ」 怜「あ、ウチは千里山高校の3年生や」 京太郎「年上!?」 怜「ウチ、病弱やから……」 京太郎「いや、関係なくね?あ、無いですよね?」 怜「……ばれたか」 京太郎「そういう問題?……千里山の園城寺怜って確か……」 怜「なんやー?千里山のエースとでも言うんか?」 京太郎「2回戦で阿知賀の松実玄さんをハァハァ言いながら泣かしてた……」 怜「うん、謝るからその言い方やめて?結構間違ってないんやけどすっごい誤解が生まれそうやから」 京太郎「それで、その園城寺さんがなんでこんなとこに。もうすぐ試合じゃないんですか?」 怜「ちょい気分転換しよ思ってな。後は飲み物でも買って…」 竜華「怜ー。浩子が呼んでたでー」 怜「あ、竜華」 京太郎「確か千里山の大将の……」 怜「清水谷竜華やで。大将であり部長でありベスト膝枕でもある」 京太郎「ほほう、それはおもちと合わせて興味深いですね」 怜「試してみる?」 京太郎「是非」 怜「3000万やで?」 京太郎「一生かかってでも払う!」 怜「それが聞きたかった!」 竜華「いや、何ゆうてるん」 怜「そういうノリや」 竜華「ごめんな。怜、少し緊張してるみたいで」 京太郎「あ、いえいえ」 怜「ま、緊張はほぐれたわ。ありがとなー、須賀くん。いや、Kちゃん」 竜華「ええっ!!そうなん!?」 京太郎「そうですよ?気付いてたんですか?」 怜「なんか似てるなーくらいやけど」 竜華「ど、どないしよう……サイン?」 京太郎「いや、そんなん無いですから」 竜華「えーっと……ツイッターにKちゃんなうって……」 怜「つぶやいてどないするん」 竜華「じゃ、じゃあ……」 京太郎「とりあえず落ち着きましょう?」 竜華「せやな……よし、大丈夫や」 竜華「……Kちゃん買いました!」 京太郎「あ、はい」 竜華「…………」 怜「え、終わり?」 竜華「なんも思い付かへん……」 京太郎「と、とりあえず試合頑張って下さいね?」 竜華「は、はい!頑張ります!」 怜「あっちが年下やでー?」 竜華「な、なんか緊張して……」 京太郎「……天然?」 怜「分かる?」 控え室近くの廊下 京太郎「さて、そろそろ2人も戻ってくるだろうし、席取りに行かないとな……ん?」 煌「……遅いですね」 姫子「花田ー、もう戻らん?そろそろミーティングやし」 煌「せっかく後輩が来てくれるんですから、もう少し、もう少しだけお願いします」 姫子「仕方なかね……」 京太郎「花田さん?鶴田さん?」 煌「おや、京太郎くん」 姫子「京太郎くん!?来てくれたと!?」 煌(すっごい嬉しそう……) 京太郎「試合見に来て、始まる前に少し会場見ておこうと思いまして」 姫子「そ、そう。見とるんやね……」 姫子(絶対絶対負けられん……!!) 京太郎「ところで、和と優希が来てないって本当ですか?」 煌「ええ。優希は連絡までくれたんですけど、なかなか来なくて」 京太郎「ここに来た時に行くって言って別れたんですけどね……せっかくタコス持たせたのに」 姫子「ひょっとして、手作り!?」 京太郎「はい。色々やってる内に得意料理になりまして。先輩に差し入れするんだーって言ってましてよ」 姫子「花田……いい後輩持ったんやね!」 煌「ど、どうも。でも、まだ来ないんですよね」 京太郎「なんかあったんですかね。優希が途中でタコス食ったとか」 煌「…………」 京太郎「……すいませんでした」 煌「いやいやいや。まだ決まってませんよ?優希だって……うん……でも優希ですからね……」 姫子「どんだけタコス好きなんよ……」 哩「2人とも、そろそろ時間……」 姫子「あ、部長」 煌「すいません部長、なかなか後輩が来なくて」 哩「姫子、ちょっと」ガシッ 姫子「はい?ちょ、引っ張らんで下さいよ!」 煌「?」 京太郎「?」 哩「なんでおると!」小声 姫子「偶然会っただけですって。部長、会ってみたいとか言ってましたし、話さないんですか?」小声 哩「……なん話してよかか分らん」小声 姫子「えー」小声 哩「いきなりやけん仕方なかろ!」小声 姫子「ほら、行きますよ」グイッ 哩「ちょ、待っ」 姫子「京太郎くん、こん人がうちの部長、頼りになるんよ」 京太郎「新道寺の部長って、確か3年間エースっていう?」 姫子「部長、言わんと」 哩「あー、白水哩です。ど、どうも」 京太郎「はじめまして、須賀京太郎です」 煌「部長?緊張してます?」 哩「そ、そがんこつ……」 京太郎「やっぱり強い人でも試合前は緊張するんですね」 哩「へ?」 京太郎「試合出たことない俺には分からないですけど、気楽に行きましょう?」 京太郎「俺の幼馴染が言ってたんですけど、麻雀を楽しめばいいんですよ」 哩(違うのに、気使ってくれてるんやろか……でも、良い人やね) 哩「……ふふっ、そうやね。ありがとう、須賀くん」 京太郎「そんな大したこと言ってませんよ。幼馴染のそのままですし」 哩「実際楽になったけんね。姫子や花田も良くしてもらっとるみたいやし」 京太郎「良くしてるって、そんなことしてないですよ?」 哩「無意識でやってるんか……」 京太郎「言いすぎですって」 姫子「あ、そろそろ時間じゃないですか?」 煌「優希達は結局来ませんでしたか……」 京太郎「後で2人に伝えておきましょうか?その後俺から連絡でも」 煌「それじゃあお願いします」 哩「あー、今は携帯しまっとるけど、後で姫子と花田から連絡先聞いてよか?」 京太郎「大丈夫ですよ。こんな美人の連絡先知れるならそれくらい」 哩「美人て……全く、世辞はいらんよ」 京太郎「見たままを言ってるだけですよ。それじゃあ、また」 姫子「試合、見とってねー」 哩「…………」 姫子「部長?」 哩「……縛り、きつめに行くか!」 姫子「は、はい!」 前話 次話 名前 コメント
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6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 28 58.13 ID QfhWHKnU0 [1/3] プロローグ 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 京太郎が入学する高校は? 安価下1 8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2014/05/02(金) 01 35 32.73 ID udxsRUa70 [1/2] 早速ハードルが高いね、安価の為なら頑張るヨ(悪寒) 京太郎「今日は臨海学園の入学式だ!」 京太郎「必死に勉強して、なんとかギリギリで合格した臨海……今年から共学になるからなんといっても女子が多い」ニヤッ そこで彼女の一人や二人…… 母「遅刻するわよーー!!」 京太郎「分かってるって!!」 京太郎「行ってきまーす!」ダッ 母「もう……東京に来て浮かれちゃってるのかしら?」 京太郎一家は家の事情で長野から東京へ引っ越しています 11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 48 47.12 ID MjoEDjM20 [1/5] ネリーを出します。ほら、可愛いから(暗黒微笑) 臨海高校教室 先生「それでは、三年間頑張ってください」 パチパチパチパチ 京太郎「よし、先生の話も終わったな……」 ???「隣の席だね」 京太郎「えっと……」 ネリー「ネリーって呼んでよ」 京太郎「あ、俺は須賀京太郎。京太郎って呼んでくれ」 ネリー「分かったよ、よろしく京太郎!」 京太郎「おう!よろしくな、ネリー!」 京太郎「しかし……それにしても凄い格好だな……」 ネリー「制服って物には慣れなくて……」エヘヘ 京太郎「それに顔からして……」 京太郎「もしかして、留学生か?」 ネリー「うん、そうだよ」 京太郎「って事は麻雀部か?」 ネリー「正解だね」 京太郎「麻雀部かぁ……」 ネリー「京太郎も入れば?折角日本に来て初めて友達が出来たし」 京太郎「……」 麻雀部に入る?入らない? 安価下1 14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 01 52 18.27 ID n6si+CAx0 入らない 京太郎「うーん……まだ考えさせてもらってもいいか?」 ネリー「そうなの?じゃあ見学だけでもおいでよ」グイッ 京太郎「うわぁっ……強引だなぁ」 ネリー「普通普通!」 京太郎「ったく…….咲とは正反対だな」 緊急安価ネリーの好感度と依存度は??? 安価下1 コンマで判別 ゾロ目だと……? 18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 02 01 38.42 ID jw2/+gWD0 [1/2] 外人はチョロイ ネリー(好感度・依存度89) 一目惚れで既に京太郎が好き 麻雀部 智葉「ん?ネリーか」 ネリー「早速来たよ」 京太郎「あはは……ども」 智葉「ネリー……彼は?」 ネリー「気に入ったから連れてきたよ」 智葉「迷惑はかけてないだろうな?」 ネリー「うん。それに、彼は見学だよ」 智葉「そうか……いままで麻雀部は女子だけだったから男子が入るのも新鮮で良いかも知れない。ゆっくりしていってくれ」 智葉「私は辻垣内智葉だ智葉と呼んでくれ」 京太郎「はい。よろしくお願いします智葉先輩」 智葉の好感度と依存度は? 安価下1コンマ判定 26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 10 18.58 ID MjoEDjM20 [2/5] 20 安価と依存度は100になるまで同時に上がります 20さんのコンマだったら99ゾロ目効果で200で既にMAXの極限ハードモードでした 智葉(好感度・依存度36) 先輩後輩の関係 ネリー「ほら、京太郎。ネリーと一緒に打とう!」グイグイ ダヴァン「ネリーは彼に懐いていますネ」 ハオ「あのネリーが……ね」 明華「仲睦まじいですね」 智葉「メグ。邪魔してやるなよ」 ダヴァン「当然デス!」 緊急安価 コンマ判定 ハオ、ダヴァン、明華、の好感度と依存度は? ハオ安価下1 ダヴァン安価下2 明華安価下3 33 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 18 59.25 ID iFRK0txd0 [1/2] 30さんの言う通りですね 31勿論です 中国と日本の関係を合わすかのような好感度だね(ニッコリ) 偉大なるアメリカ人はジャップを見下しマス(ゲス顔) 明華は天使(真顔) ハオ(好感度・依存度7) 眼中に無し ダヴァン(好感度・依存度21) 普通 明華(好感度・依存度81) 一目惚れ、京太郎が既に好き 京太郎「あっ!俺は須賀京太郎って言います!よろしくお願いします」 皆見事に外国の人だな……そして綺麗だし。 ハオ「ハオって呼んで」 ダヴァン「ダヴァンと呼んでくだサイ」 明華「雀明華……明華と呼んでください」ニコッ 京太郎「は、はい」ドキッ ネリー「……」ムッ 36 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 25 48.76 ID 4aVj93la0 [1/2] 智葉「京太郎は麻雀を打てるのか?」 京太郎「それが……全然」 ネリー「どうしてここに居るの?」 京太郎「お前が無理矢理連れて来たんだろ!」ガォッ ハオ「日本の麻雀なら簡単に覚えられるかも」 智葉「そうか……それじゃあ」 智葉「ここにいる三人に教えてもらおう」 智葉「丁度、臨海高校のレギュラーが全員揃っているからな」 誰が教える? 安価下1、2、3 0~20 ネリー 21~40 明華 41~60 智葉 61~80 ダヴァン 81~99 ハオ 41 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 34 53.74 ID jIoy+Xa40 [1/5] ハオ、ネリー、ダヴァンが教えます ハオ「まず、ここをこうして……」 京太郎「難しい……」 ダヴァン「いい感じデス」 ネリー「もっと頑張らないとね、麻雀部の為に」 京太郎「勝手に入れるな!」 ハオ「集中してください」 京太郎「あ、すいません……」 ダヴァン「ハオは厳しいデスネ」 ネリー「京太郎……」ボソッ 好感度・依存度上昇安価コンマ判定 ネリー 安価下1 ハオ 安価下2 ダヴァン 安価下3 0~30 10上昇 31~60 20上昇 61~99 30上昇 ゾロ目ボーナスあり 51 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 45 37.59 ID OZM3MJRt0 [1/7] ネリー(好感度MAX依存度119) 中々あやうい、チョロイ ハオ(好感度・依存度27) 普通 ダヴァン(好感度・依存度41) いい後輩デスネ 智葉「京太郎……中々筋がいいな、良ければ麻雀部に入ってくれ」 ネリー「うん。そうだね、それがいいよ。うん、それが一番。そうしよう、ね?」 京太郎「あはは……ちょ、ちょっと考えさせてください。必ず返事をしますから」 ネリーが怖い……? ダヴァン「彼はナイスガイですヨ!」 ハオ「思ったよりいい人だった」 ハオとの壁は取れたみたいだ……良かった。 智葉「よし、今日は解散にしよう」 ネリー「京太郎一緒に帰ろう?」 京太郎「あ……えっと……」 1、「すまん今日はこれから用事があるんだ」 2、「京太郎……一緒に帰ろう」(キャラ指定) 3、「いいぜ、帰ろう」(これ以上上がるのは危険) 4、自由安価 56 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 02 53 30.31 ID /LQX3JWd0 [1/2] 京太郎「すまん。今日は用事があるんだ」 ネリー「本当?」ジッ 京太郎「あ、ああ、本当だ」 嘘と言えば嘘になるし……本当と言えば本当だけどな。 ネリー「分かった。信じてあげる」 京太郎「悪いな、じゃあ!」ダッ ネリー「バイバーイ」 智葉「……」 ハオ「また明日……」 ダヴァン「ブラザー!また明日デス!」 明華「ふふっ……また会いましょう」フリフリ 57 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 01 10.26 ID +nOANXJZ0 [1/3] 54スカスカのシステムなので……どしどしアドバイスお願いします 55はい。基本は下1でお願いします コンビニ前の駐車場。 京太郎「はぁはぁ……!」ゼェゼェ 京太郎「なんとか逃げ切れた……?」 京太郎「嫌……どうして俺は逃げるって思ったんだ?」 京太郎「あのネリーの感じ……普通じゃない」 京太郎「なにかがおかしい……可愛いけど」 智葉「なるほど……焦ってると思ったらそういう事だったのか」 京太郎「っっ!」ビクッ 京太郎「智葉……さんどうしてここに」 智葉「様子がおかしいから気になって京太郎の後を追いかけてみただけだ。安心してくれ誰にも言わない」 智葉「ネリーの事が怖いのか?」 京太郎「す、少し」 智葉「確かに今日のネリーは様子がおかしかったな、入学前から練習に参加してた時と比べても様子がおかしい」 智葉「まるで依存しているかのようだったよ」 59 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 08 43.86 ID pgoEEnGE0 [1/7] 智葉「しかし、少しがめつい所もあるが、根はいい奴だ。良ければ仲良くしてやってもらえないか?」 京太郎「もちろんそのつもりですけど……」 智葉「安心してくれ、私が見守っているから」 京太郎「それなら百人力ですね」アハハ 智葉「どういう意味だ?」ギロッ 京太郎「いえ、これといった意味は」ビクッ 智葉「はぁ……」ヤレヤレ 智葉「そして、これだ」スッ 智葉「皆の電話番号とメールアドレスだ。許可はとってあるから登録の後でLINEを送るなりするといい」 京太郎「わざわざ気を使ってもらって……ありがとうございます」 智葉「気にしないでくれ、可愛い後輩の為だ」ニコッ 好感度・依存度上昇安価 is 智葉 0~30 10上昇 31~60 20上昇 61~99 30上昇 ゾロ目ボーナスあり 安価下1 63 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 18 28.70 ID C8xlg1WR0 [1/2] 智葉(好感度・依存度56) 可愛い後輩 奇しくも 60のコンマと同じですね ゾロ目湧きすぎ! 智葉「それじゃあ私はそろそろ帰るとしよう」 京太郎「はい。また明日」 智葉「また明日だな」スタスタ 京太郎「…….ふぅ」 京太郎「ビックリした」 京太郎「東京……都会だなぁ」 京太郎「そういえば東京には照さんも居るんだよな、近い内に挨拶しに行こう」 ーーーーー 物陰 ネリー「……」ジッ 66 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 24 19.00 ID /VJA5LA+0 [1/16] 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 (朝と昼は休日以外学校に制限されます。学校をサボるのもありです(サボるのはヤンデレから逃げる時に結構有効)他にも失踪コマンドがありますがそれはまだ後になりますね) 京太郎「さて……何をするかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「自由安価」 安価下1 68 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 03 36 02.52 ID kqvnc2Vx0 [2/4] ここの京太郎は呪われています(確信) 京太郎「ネトマでもやるか」カチカチ 京太郎「ぐぬぬ」カチカチ 京太郎「意味わからん……」カチカチ 京太郎「難しい…….」カチカチ 京太郎「ネトマのランカー1位とはえらい違いだよ」トホホ (ネトマポイントが溜まりました) ネトマポイント2/10 (10まで溜まると……?) 京太郎「よし、晩御飯だ」 69 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 38 48.65 ID pBF6Dkjw0 [1/4] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よく食べたな」 京太郎「よし、何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「念の為に鍛えるか」 9「自由安価」 安価下1 72 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 03 54 17.63 ID pBF6Dkjw0 [2/4] 京太郎「街をうろうろするか」 ーーーー 京太郎「夜の街を歩くって中々楽しいな」 京太郎「んっ?」 京太郎「酔っ払って倒れてる人がいるな……」 京太郎「介抱しよう」 酔っ払って倒れていたのは……? 1 おもちが大きなお姉さん 2 アラサーだよ! 3 なんか不機嫌そうな人 4 ルー語 5 レジェンド 6 しらねーけど 7 カツ丼 8爺 9婆 75 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 04 05 37.93 ID u7t+FEXi0 [1/3] ??「んんっおえっ……」ウプッ 京太郎「大丈夫ですか?」 ??「ん……気持ち悪い……」ウプッ 京太郎「ほら、まずは水を飲んで」 ??「飲めないよぉ……」 京太郎「飲ませますよ」クイッ ??「んっ……」ゴクゴク 京太郎「はぁ……大丈夫ですか?」 ??「ありがとうございます……少し落ち着きました」 京太郎「それなら良かった」 ??「小鍛冶健夜と言います……」 京太郎「俺は須賀京太郎っていいます高校一年生です」 健夜「わ、若い……!」ボソッ 健夜「私は一応麻雀のプロをやっています」 京太郎「あ、タメ口で大丈夫です」 健夜「そう?ありがとう。京太郎君って呼ぶね」 京太郎「はい、そうしてください」 健夜「今日は助かったよ、ありがとう」 健夜「これ、私の電話番号とメールアドレス。この名刺に書いてあるから何かあっあら呼んでね、出来る限りは手伝うよ」 ※好感度・依存度判定安価 コンマで決まります 安価下1 83 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 07 13.59 ID /LQX3JWd0 [2/2] 寝てしまってた 79 今気付きました ハオの好感度・依存度は29です 健夜(好感度・依存度54) 年下もアリ……かな? 京太郎「じゃあ俺は明日も学校なんで」 健夜「あっ……うん。今日はありがとう」 京太郎「いえいえ、おやすい御用ですよ」 健夜「本当にありがとう」 京太郎「あはは……それじゃあ」スッ 健夜「うん。バイバイ」 85 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 15 35.37 ID QfhWHKnU0 [2/3] 京太郎「よし。明日も早いしそろそろ寝るか」 prrrr 京太郎「……」カチャ 発信者 不明 誰だ? 京太郎「はい。もしもし」 ???「もしもし?」 京太郎「なんだ。ネリーか」 ネリー「うん。ネリーだよ」 電話番号……俺からは教えてないぞ。 怖いから触れるのはやめておくけど。 京太郎「どうしたんだ?こんな時間に」 ネリー「ちょっと暇だからかけてみたよ」 京太郎「ははっなんだそりゃ」 ネリー「京太郎はもう寝るの?」 京太郎「あぁ今寝る所だった」 ネリー「そうだったんだ。じゃあおやすみ」 京太郎「んっおやすみ」 プツ 一日が終了しました。 86 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 20 09.65 ID jIoy+Xa40 [2/5] ネリー「……」 ネリー「京太郎……」 ネリー「ーー京太郎」 最初はただの一目惚れだった筈なのに、どうして? どうして……こんなにも愛おしいのかな? 京太郎の事を考えれば考えるほど、胸が苦しいよ…… また明日……京太郎に会えればいいなぁ。 ふふふっ 88 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 25 31.87 ID jIoy+Xa40 [3/5] 朝 行動フェイズ チュンチュン 京太郎「朝か……」 京太郎「さて、どうしようかな」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下1 91 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 30 41.79 ID jIoy+Xa40 [4/5] 京太郎「サボるか」 京太郎「色々なしがらみから抜けるのは大事だしな」 京太郎「さて、サボって何をしようかな」 1.健夜さんに電話 2.学校の様子を覗き見 3.街をうろうろ 4.そうだ。照さんの学校に行こう 93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 46 24.31 ID pBF6Dkjw0 [3/4] 京太郎「街をうろうろするか」 我ながら早速サボるなんてね、悪い男だ。 京太郎「よーし。街に繰り出すぞ!」 都会だからうろうろするだけでも楽しい! ーーー 京太郎「更に都会に出てみたけど」 京太郎「凄いなーこれは」 京太郎「ビルがでかい」 京太郎「さて、どうしようか」 1.アナウンサーとたまたま会う 2.明華さん?どうしてここに? 3.うろうろ 95 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 13 54 27.98 ID Vt4rPYRO0 京太郎「もっとうろうろするか」 折角の都会だし! 京太郎「と言ってもこれからはずっと東京だもんな」 京太郎「さて、何処に入ろうかな……って?」 京太郎「制服を着てる女の人が困っている様子だ」 どんな人? 1.長髪でクール 2.金髪 3.眼鏡をかけてる 4,つよそう 安価下3 99 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 03 20.06 ID 4aVj93la0 [2/2] 京太郎「大丈夫ですか?」 ?「え?」 京太郎「困っている様子だったので」 ?「別にこまってはないけど……」 ?「まぁナーバスって奴だね」 京太郎「俺と一緒……か」 ?「君もナーバスなの?」 京太郎「いや、少しだけ」 ?「駄目じゃん!」ケラケラ ?「名前は?」 京太郎「俺は須賀京太郎」 淡「私は大星淡」 淡「淡って呼んでね」 好感度・依存度判定安価 安価下1 104 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 15 11.20 ID kqvnc2Vx0 [3/4] 大星淡(好感度・依存度16) まぁ知り合いだね 淡「キョータローはどこの高校の人?」 京太郎「臨海だぜ」 淡「へぇ……臨界なんだ」 京太郎「何かおかしいか?」 淡「面白いね、私は白糸台なんだ」 京太郎「白糸台!?って……どこ?」 淡「……もしかして麻雀知らない?」 京太郎「誘われてはいるけど、全く知らないな」 淡「へぇ、その方がいいかも」 淡「白糸台は田舎だし知らなくて当然だよね」 京太郎「あ、田舎なんだ」 淡「東京だけど、ここと比べるとね」 淡「一緒に遊ぼう。学校サボった同士で!」 京太郎「いいぞ!」 何処に行く? 1.ゲーセン 2.ショッピング 3.ファミレス 安価下2 107 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 22 04.45 ID Muo847aO0 [1/2] 103 確かにその方が良さそうですね 次からは遭遇をコンマにします 京太郎「ゲーセン行くぞ!」 淡「いいね!」 ーーーー 京太郎「さて……どのゲームをやろうかな」 淡「……」キラキラ 京太郎「どうしたんだ?ufoキャッチャーなんか見て」 淡「あの人形可愛い……」 京太郎「あれか……よし……」 チャリン 京太郎「やってみよう」 淡「おお!チャレンジャー!」 結果は? 0~49 失敗 50~80 成功 81~99 大成功 110 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 30 55.77 ID PGlJuUAr0 [1/5] 流石ドラロー ガチャンッ 京太郎「よし!取れたぞ」 淡「凄い!キョータロー!」 京太郎「ほら、やるよ」スッ 淡「え?」 京太郎「こんな可愛い奴男が持ったって意味ないだろ?」 淡「うん……それなら……」 淡「……ありがとう」ギュッ 京太郎「ははっどういたしまして」 淡の好感度が20上がりました 京太郎「そろそろ昼だな」 淡「うん。そうだね」 行動フェイズ 昼 何処に行く? 1,白糸台 2.映画 3.臨海 4.ファミレス 安価下3 114 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 35 24.99 ID kqvnc2Vx0 [4/4] 淡「白糸台に来る?」 京太郎「え?」 淡「部活には出たいからね、キョータローは見学においでよ」 京太郎「でも、他校だからなぁ……」 淡「この私が居れば大丈夫!なんたって高校百年生だから!」 京太郎「あ……うん」トオイメ 淡「ば、馬鹿にしないでよっ///」 京太郎「よし、着いて行ってみるか」 淡「ノリが良いね!」 115 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 50 50.00 ID iFRK0txd0 [2/2] 白糸台高校 淡「……」キョロキョロ 京太郎「さっきの威勢はどうした、さっきの威勢は」 淡「入り辛い……」 京太郎「そりゃサボったんだからそうだよな」 京太郎「どうする?やめとくか?」 淡「ふん!余裕で入れるからね!」 「……」 ザッ 淡「あ……」 出て来たのは? 0~30「テルー!」 31~60「たかみ先輩!」 41~70「亦野先輩!」 71~99「菫先輩!」 119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 14 57 28.08 ID udxsRUa70 [2/2] 淡「テルー!」ギュッ 照「淡……と京ちゃん?」 京太郎「照……さん?」 淡「あれ?二人とも知り合い?」 京太郎「ちょっと昔のな」 照「京ちゃん……久しぶり」 京太郎「久しぶりです照さん」 照「大きくなったね」 京太郎「まぁ、そりゃそうですよ」 ※緊急安価コンマ判定 照の好感度・依存度は? 安価下6 127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 05 46.90 ID pgoEEnGE0 [2/7] 照(好感度・依存度57) 幼馴染だね 淡「テルーはどうしたの?練習は?」 照「今日は部活休み」 淡「え……」 京太郎「おい」 淡「じゃ、じゃあ三人で遊ぼう!」 京太郎「そうなると思ったぜ……」トホホ 何処に行く? 1.ファミレス 2.公園 3.カラオケ 安価下3 132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 14 52.03 ID jIoy+Xa40 [5/5] 照「ファミレスに行こう。デザート」 淡「いいね、ファミレス!」 京太郎「昔からスイーツ系好きですよね……」 ーーーーー ファミレス 照「知ってる?」 淡「何をー?」 照「携帯の抽選で100名様のクーポン」 淡「詳しく」ズイッ 照「当選すると……デザート食べ放題」 照「さらに、その中の10人に当選されると銀座の高級スイーツが食べ放題……!」 淡「ダメだった……」 京太郎「はやっ!」 照「私もダメだった……」 京太郎「よし……俺も!」 好感度上昇安価 コンマ判定 0~30 失敗 31~60 成功 61~99 大成功 安価下4 133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 15 15 07.06 ID zFG77yAF0 [4/11] はい 139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 21 36.77 ID 8L50FlcH0 [1/2] 136そうですね、コンマの場合は直下にします 京太郎「失敗か……」 京太郎「でも、ダブルチャンスでなんとかデザート一品無料です」 照「京ちゃん……ナイス」 淡「一番大きい奴頼んで三人で食べよう!」 照と淡の好感度が10上がりました ーーーーー 照「ふぅ……おしかった」 淡「最高だったね!アレ」 京太郎「苦しい……大き過ぎる」ゲップ 京太郎「じゃあ俺、帰りますね」 照「これ……」スッ 淡「私もー!」スッ 京太郎「電話番号とメールアドレス?」 照「今日は楽しかった……また誘ってね、前みたいに」 淡「また、あそぼー!」 京太郎「おう!分かりました!」 今日は良い一日だな! 141 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 24 10.48 ID 8L50FlcH0 [2/2] このスレにコンマ神は居ないってはっきりわかんだよね 行動フェイズ 夕方 京太郎「結構帰るの遅くなったな」 京太郎「さて、何をしよう」 安価 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「TwitterとFacebookに登録しよう」(交流が広がる) 8「念の為に鍛えるか」 9「自由安価」 安価下3 146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 32 06.02 ID RA1jWp4k0 [2/2] 息を吐くように高コンマの嵐(ドン引き) 京太郎「TwitterとFacebookって奴をやってみるか」 京太郎「よし、Twitterではキョータローで」 京太郎「Facebookでは須賀京太郎だな」 京太郎「知り合い全員フォローしとくか」 京太郎「よろしくお願いしますっ……と」 これから京太郎は自分の行動を逐一TwitterとFacebookに呟きます。 どうなるかは京太郎次第……? 京太郎「よし。登録完了!」 京太郎「おっリプライが来てる」 誰? 安価下4 今まで出会ったキャラを選択してください 153 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 39 07.19 ID PGlJuUAr0 [2/5] 有名人が高校生にリプライとかスキャンダル物ですねぇ(唖然) 京太郎「ん?」 京太郎「鍵垢にフォローされたぞ?」 京太郎「えっと……すこにゃー?」 京太郎「リプライも来てる」 すこにゃー 京太郎君? キョータロー そうですよ すこにゃー 私だよ、健夜だよ キョータロー 健夜さんでしたか、どうして鍵垢なんかを? すこにゃー 私は一応TVに出てるからね……一応 キョータロー なるほど。Twitter始めたばかりなんで、色々教えてください すこにゃー うん。お安い御用だよ 健夜の好感度が10上がりました 155 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 15 42 15.11 ID PGlJuUAr0 [3/5] 行動フェイズ 夜 京太郎「さて、何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下1 157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 46 28.94 ID QfhWHKnU0 [3/3] 安価スレはスイスイ進むから楽しいね!(作者の息抜き) 京太郎「念のため鍛えるか」 京太郎「ふんっ……」ギシッ ギシッ 京太郎「よし、今日はここまでにしよう」 肉体ポイントが上がります 46/100 100まで行くとある程度危機を回避できます。微々たる物ですが 京太郎「よし寝よう!って……」 prrrrr 電話か…… 電話の相手は? 安価下6自由安価 今まで出会ったキャラでお願いします 165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 15 59 49.47 ID u7t+FEXi0 [2/3] 京太郎「明華さんだ」 京太郎「もしもし」 明華『もしもし?』 京太郎「あ、明華さん」 明華『ネリーが心配していましたよ?』 京太郎「あはは……」 明華『明日は学校来てくださいね?』 京太郎「はい。分かりました」 明華『私も心配ですから……』ボソッ 京太郎「え?」 明華『っっっ///そ、それじゃあ!』プツッ 京太郎「切れちゃった……」 京太郎「寝るか、おやすみ」 一日が終了しました 166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 06 51.71 ID pgoEEnGE0 [3/7] 好感度・依存度まとめ ネリー 好感度max 依存度119 智葉 56 明華 81 ハオ 29 ダヴァン 41 健夜 64 淡 46 照 67 ダークホースは宮永照と小鍛治健夜 智葉も怖いですねえ……戦闘能力は現在のキャラの中では最高ですから 168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 08 38.38 ID pgoEEnGE0 [4/7] 朝 行動フェイズ 京太郎「さて……何をしよう」 1.登校 2.サボる 3.自由安価 安価下4 174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 16 37.74 ID pgoEEnGE0 [5/7] 167次からは重要な事以外は少し減らします 京太郎「よし!学校行くか!」 ーーー 通学路 京太郎「ん?……あれは?」 「……」クルッ 振り向いて来たのは? 0~20 ネリー 21~40 明華 41~60 智葉 61~80 ダヴァン 81~99 ハオ 安価下1 177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 22 49.94 ID pgoEEnGE0 [6/7] 愛は無限大だよ!私と京太郎は繋がっているんだ! ネリー「京太郎っ♪」クルッ 京太郎「おっネリーか、おはよう」 ネリー「昨日はどうして休んだの?」 京太郎「ははっ色々あったからさ」 ネリー「入学二日目でサボるとはいい度胸だね。自覚が足りないよ」 京太郎「あはは……すまん」 京太郎「さ、行くか」 ネリー「うんっ!」ギュッ ネリーの依存度が20上がりました 178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 25 37.43 ID bV3JuTBr0 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 37 54.04 ID PGlJuUAr0 [4/5] 京太郎「教室で時間を潰すか」 ハオ「んっ……」ガラッ 京太郎「おっ……ハオか」 ハオ「京太郎……君」 京太郎「呼び捨ててでいいよ、呼び捨てで」 京太郎「どうしてここに?」 ハオ「日本の麻雀難しい……」 ハオ「めげそうです」 京太郎「ハオ……」 安価 1.「凄いよなハオは」 2.「俺なんか全然出来ないぜ?」 3.「じゃあさ、俺にその、中国麻将?教えてくれよ 安価下2」 186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 45 42.19 ID C8xlg1WR0 [2/2] 京太郎「俺なんか全然出来ないぜ?」 ハオ「京太郎……」 京太郎「俺だって麻雀初心者」 京太郎「でもハオはもうルールを覚えて、麻雀の強豪臨海のレギュラーだろ?」 京太郎「そこまで悩む必要はないんじゃないか?」 ハオ「京太郎……」 ハオ「そうですね、私が馬鹿でした」 ハオ「もっと頑張ってみます」クスッ 好感度・依存度上昇安価 コンマ判定 0~10 11~60 61~99 安価下1 189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 16 50 24.40 ID MjoEDjM20 [3/5] ハオの好感度と依存度が20上がりました 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下1 191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 00 25.25 ID lULVdxKn0 [1/2] 京太郎「ネトマでもするか」 京太郎「む、段々分かってきたような……?」カチカチ 京太郎「よし」 京太郎「やっとアガる事が出来た……」 ネトマポイント 4/10 全て貯まると……? 192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 00 57.73 ID lULVdxKn0 [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎「何をしようかな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「ネトマで勉強しよう」 4「メールしようかな」 5「電話しよう」 6「LINEしよう」 7「念の為に鍛えるか」 8「自由安価」 安価下3 197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 05 54.68 ID MjoEDjM20 [4/5] 京太郎「もういっちょネトマだぁ!!!」 京太郎「俺はネトマの鬼になる!!」 連続ボーナス! ネトマポイント 8/10 京太郎「よし、これで完璧だ」 京太郎「俺って意外とセンスがいいのかもな」ムフフ prrrrr 京太郎「あ、電話だ」 安価下4自由安価 今までに出会ったキャラでお願いします 204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2014/05/02(金) 17 10 13.01 ID OZM3MJRt0 [3/7] すこやん愛されてるなぁ……流石アラフォー(真顔) 健夜「もしもし?」 京太郎「あ、もしもし?」 健夜「元気?」 京太郎「はい、元気ですけど?」 健夜「そうなんだ……京太郎君ってどこの高校に通ってるの?」 京太郎「臨海です」 健夜「臨海かぁ……へぇ……」 京太郎「?」 健夜「麻雀頑張るといいよ」プツッ すこやんの好感度・依存度が10上がりました(次からは電話でも上がります) 京太郎「切れた……寝るか」 一日が終了しました
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前話 次話 豊音「うわああああああん!ありがとうございましたああああ!!」 霞「お疲れ様でした」 恭子「あ、ありがとうございした」カタカタ 咲「ありがとうございました」ぺっこりん 照「……なるほど」 菫「……おい、なんだアレ。お前の家はどうなってるんだ」 淡「……すっごい!!大将だよね!ね!私がやれるの!?たっのしみー!!」 菫「ある意味頼もしいな……」 照「ん……お菓子買ってくる」 照(やっぱり、胸が大きくないの残したんだね……) 恭子「戻りました」 洋榎「お疲れさん」 恭子「1位やったのに2位で申し訳ないです」 洋榎「いや……あんなん相手によーやったわ」 漫「そうですよ!」 由子「アレはこっちで見ててもすごかったのよー」 恭子「ははは。あん時の宮永は……」カタカタカタカタ 絹恵「大丈夫ですか末原先輩!」 郁乃「……末原ちゃん、強くなりたい?」 恭子「……はい?」 巴「……お祓い、終わりました」 霞「ありがとう。大丈夫だった?」 春「いつもより準備してたから大丈夫」 初美「とんでもない相手でしたねー」 霞「ええ。正直、小蒔ちゃんや宮永照くらいじゃないとアレは相手できないわ」 小蒔「何か、すごいものを感じました。こう、執念というか、嫉妬というか」 巴(小蒔ちゃんもアレに近かったよね?)ヒソヒソ 春(というか同種っぽかった)ヒソヒソ 初美(いやいや、降ろしてる時の霞の方が…) 霞「初美ちゃんお蕎麦抜きね」 初美「また私!?」 霞「さ、食べましょう」 小蒔「時間、空いちゃいましたね」 霞「……それじゃみんなで海でもいきましょうか。少しくらいゆっくりしても大丈夫ですし」 春「海……いい」 初美「泳ぎならおまかせあれですー」 巴「中等部の明星ちゃん達も呼びましょうか」 小蒔「……楽しみですね」 霞「あ、そうそう。小蒔ちゃんのサインをお願いされてたの。書いてくれない?」 小蒔「あ、はい。分かりました」 豊音「ただいまー」 塞「トヨネ……」 豊音「サイン、いっぱいもらっちゃったよー」 胡桃「…………」 豊音「最後ちょー怖かったけど、ちょー楽しかったよー」 エイスリン「…………」 豊音「勝って、もっとみんなでお祭りに続けたかったよー」 白望「……お疲れ様、トヨネ」 豊音「うん、楽しかったよー……うあああああああん!!」 塞「私も、もっと、わあああああん!!」 胡桃「……ぐすっ」 エイスリン「トヨネエエエエエ!!」 白望「……うん、お疲れ様」涙目 トシ(参ったね……あんなのが出てくるなんて。さすがにどうしようもないよ) 霞「あのー、すいません。大丈夫ですか?」 小蒔「サイン、書いてきました」 豊音「神代さん!わざわざ来てくれるなんて……」 胡桃「あの……それは?」 小蒔「浮き輪です!」 胡桃「それは把握してます!」 小蒔「ちなみに下に水着も着てます!」 胡桃「なんで!?」 霞「個人戦まで間があるので、海にでも行こうという話になりまして。良かったら、ご一緒しませんか?」 エイスリン「ウミ…イイ!」 白望「……迷惑でないなら、ぜひ」 塞「ダルくないの!?」 トシ「あ、それなら個人戦出場選手同士は対局しないようにね」 塞・胡桃「確定!?」 郁乃「末原ちゃんが、なんであの試合で残れたか分かる?」 郁乃「それはな、胸が小さかったからや!やから、サラシ巻いてもっと胸を目立たなくするんや!!」 恭子「…………」ぺターン 恭子「ってアホかああああ!!」 恭子「なんなんですかこの訳分からん戦術は!?これ以上胸小さくしたら無くなりますわ!」 郁乃「でも~、宮永照ちゃんもさっきの宮永咲ちゃんも小さいで~」 洋榎「そーいや個人2位の荒川憩と3位の辻垣内智葉もあんま胸無かったような……」 由子「小鍛冶プロや三尋木プロもそうなのよー」 恭子「神代はでかいし、さっき相手した石戸霞とかおっぱいオバケでしたよ!そんなんありえませんわ!」 恭子「全く、せめてパッド入れるとかやったらまだしも……」サラシ取る 漫「……パッド、入れたいんですか?」 恭子「漫ちゃ~ん?額に乳って書くか?あ?この巨乳が!!」 郁乃「まあ、ここまでは半分冗談として」 絹恵「半分は本気やったんですか……」 郁乃「準決勝の為に呼んだわ~入ってきてや~」 良子「グッドモーニング」 恭子「戒能プロ!?」 洋榎「トッププロ……そしてKちゃんの時は世話になったわ……」 良子「ハハハ。毎晩抱いてますよ?」 漫「確かイタコで、名もなきファラオの力で天和したって」 絹恵「当然正位置ぃ!って叫んで国士無双したとか」 由子「傭兵でバイクと合体した機械相手に戦ったって聞いたのよー」 良子「ないない。ノーウェイノーウェイ。知り合いの話。元気かなーサティスファクション」 郁乃「宮永咲ちゃん見た」 良子「イエス。ありゃすっげーモンスターですね。ゴッドかサタンですよ」 郁乃「他にも凄い人呼んであるから、明日まで練習試合な~?」 郁乃「それとな、明後日は善野さんも見に来るらしいで~?」 恭子「善野監督が……」 恭子(そんなん負けられへんやん……後、サラシとか巻いてられんわ!!) 清澄、宿舎 久「良くやってくれたわね、咲」 咲「なんか、つい、やっちゃいました」 京太郎「つい、でアレか……やっぱすげーな咲」 咲「京ちゃん……えへへ」 久「それにしても姫松が残ったかー」 咲「あ、それなんですけど」 久「うん?」 咲「すいません、頑張ったんですけど、やっぱり強いとこが残っちゃいました」 まこ「強いって、どこも強かったぞ」 優希「おっぱいの巫女さんとかやばかったじぇ」 京太郎「ああ、あのおっぱいはやばかったな」 咲「む……」 和「確かに変な打ち方もありましたけど……」 咲「ええと。次は、ちょっと危ないかもしれません」 久「……靴下脱がなかったから楽勝だと思ってたわ」 咲「あっ……」 久(姫松か……ちょっとやっかいかもしれないわね) 京太郎「姫松か……先鋒と副将だな」 優希「ん?どういうことだ?」 和「私達に何か関係が…」 京太郎「先鋒と副将が、胸が大きかった!」 まこ「……優希。やってええぞ」 優希「おりゃあっ!!」飛び蹴り 京太郎「いってぇ!!」 和「全く須賀くんは……」 咲「やっぱり胸……」ゴッ 京太郎「咲-?咲さーん?なんか怖いの出すのはやめようぜー?」 咲「京ちゃんが胸ばっかり見なくなったらね?」 京太郎「無理だな」キリッ 咲「……京ちゃんの、馬鹿ー!」ビンタ 京太郎「ベふっ!!」 久「……大丈夫か。はいはい、準決勝は明後日だからゆっくり休みなさいよー」 久「あ、そうそう。テレビで2回戦のダイジェストやってるみたいだから、一応見ときなさいね」 えり「インターハイ、2回戦ダイジェストの時間です」 えり「この時間は2回戦をダイジェストで私、針生えりと」 咏「三尋木咏でお送りするぜぃ」 えり「では、2回戦第1試合から」 照「ツモ」ギュルルルル 煌「すばらっ!」 モブ1A(巨乳)「あはは……なにこれ」 モブ2A(巨乳)「もう、やだぁ……」 モブ1B「……」タン 菫「ロン」シャープシュート モブ1B「ぐはっ」 モブ2B「あわわわわ」カタカタ 美子「うう……」 尭深「……」タン モブ1C「……リーチ!」 モブ2C「……通れ!」 仁美「ロン!!」 モブ2C「ああ……」 誠子「ポン」 モブ1D「くっ」 哩「ツモ!」 モブ2D「辛い……」 淡「んー、ツモ」 モブ1E「あああ……」 モブ2E「次で……飛ぶ?」 姫子「……部長」 えり「なんというか、白糸台は圧倒的ですね」 咏「うーん、宮永照と大星淡がやっべーな」 咏「しかも、なんか隠してるっぽいわ」 えり「隠している?何をですか?」 咏「わっかんねーわー」フリフリ えり「この人は……」イラッ えり「続いて、2回戦第2試合です」 怜「……リーチ」 美幸「……もー」 玄「……うぅ」涙目 ソフィア「……くっ」 怜「……ツモ」 玄「あ、ありがとうございました……」涙目 美幸「お疲れっしたー……もー」 ソフィア「……しんどいわー」 澄子「…………」タン 花子「……手が伸びねー」タン 泉「…………」タン 宥「ロン」 泉「なっ!?」 憧「ポン!」 梢「…………」タン 憧「ロン!」 史織「はや~い」 梢「……はい」 セーラ「……ほー……やるなー」 友香「ツモ、でー!」 浩子「親倍……」 玉子「ちぇー……」 灼「また3位転落……」 莉子「…………」タン 穏乃「ロン!!」 竜華「!」 景子「!」 莉子「!?……あ、あぁ」カタカタ えり「千里山女子が圧倒的でしたが、阿知賀女子のオーラスでの逆転も凄かったですね」 咏「最後まで諦めないっつーのは大事だってこったねぃ」 えり「ですが、千里山にここまでの差をつけられた阿知賀女子が、明日の準決勝どこまでやれるでしょうか」 咏「いや知らんし」 えり「…………」イラッ 咏「ただまぁ、簡単には終わらんでしょ。ここまで来るような学校は」 えり「では、2回戦第3試合です」 小蒔「ロン」 優希「じぇ!?」 白望「……ダル」 漫「ぐ……」 まこ「ツモ」 洋榎「リーチや!」 春「…………」タン 洋榎「ロン!!」 春「!!」 久「……うわ」 洋榎「神代が稼いだからて、安心しとるんか?そんなんすぐ持ってくでー?」 春「……次」 胡桃「はい。ふるよー」 洋榎「う……うちがひっくり返すからな!」 胡桃「うるさい!関係ないことなら静かに!!」 洋榎「あ……ハイ」 和「ロン」 絹恵「は、はい!」 塞「そこかー」 初美「やるですねー」 霞「…………」タン 豊音 「…………」タン 恭子「…………」カタカタカタカタ 咲「……カン」ゴッ 咲「もいっこカン」ゴゴッ 咲「さらにカン!」ギュルルルル 咲「カン!!」ギュルルルルルルル えり「シードの永水女子、まさかの敗退でしたね」 咏「わっかんねーもんだねぃ。先鋒戦だけ見りゃ敗退するようなとこはなかったのにね」 えり「各校諦めず追い上げましたからね。特に清澄は凄かったです」 咏「インターミドルチャンピオンの原村も上手かったけど、大将とかものすっげーなー」 えり「宮永咲選手、ですね。宮永照選手と何か関係があると言われてますが、どうでしょうね」 咏「それこそわっかんねーわー。遺伝的に麻雀が強くなるとか知らんし。まあ、本人に聞けばいいんじゃね?答えるか知らんけど」 えり「では最後に2回戦第4試合の……」 京太郎「……照さんすげーな」 優希「わ、私があんなのとやるのか?……チェンジ!」 和「ゆーき、交代はできませんよ?そもそも交代できる人がいませんし」 咲「あはは。でも、昔より凄いなぁ……」 京太郎「昔はどうだったんだ?」 咲「んー……大抵お父さんが最下位で私が3位。で、お姉ちゃんとお母さんがトップ争い、って感じだったよ」 京太郎(昔の咲ってことは、プラマイ0だよな?つまり親父さんほとんどマイナスだったのか……) 京太郎(そういえば……) 咲父「そうか、咲が本格的に麻雀を……」 咲父「いや、娘の成長は喜ぶべきだよ、ははは……」 咲父「須賀くん、今度君も交えて3人で打たないか?」 咲父「ははは……最下位争いやろうぜー……」 京太郎(……苦労してたんだなぁ) 和「阿知賀?……玄さん!?」ガタッ まこ「いきなりどうしたんじゃ?」 和「私が昔、奈良に居た頃の友人です!」 久「阿知賀が?ひょっとしたら他の人も知り合い?……メンバー載ってるけど見る?」 和「はい!……みんなが、います」 優希「花田先輩もいるし、明日見に行くか?」 和「……ええ、行きましょう」 京太郎「俺も行くわ。結構知り合いがいたし」 久「あら?またひっかけたの?」 京太郎「たまたま知り合っただけですよ。えっと、千里山に新道寺、阿知賀の人達がそれぞれ何人かと。あ、照さんいるから白糸台もか」 久「明日の出場校全部じゃない」 まこ「お前って奴は……」 優希「この発情犬め……」 和「私の友人にまで……」 京太郎「誤解だって!」 咲「…………」ギュッ 京太郎「いてっ!咲、手つねるなよ」 咲「……ふんだ。京ちゃんのばーか」 コンビニ 京太郎「あの流れでコンビニまでお菓子のパシリになってしまった……」 京太郎「ただ知り合いなだけなのにな」 京太郎「それにしても、照さんすごかったな。なんというか、さすがチャンプというか、次元が違うっていうか…」 照「…………」ゴゴゴゴゴ 京太郎「…………」 京太郎(コンビニ入って5秒でお菓子を2つ持って真剣な顔ですごい威圧感を出してるチャンプ見付けた) 京太郎(しかもう○い棒とポテ○スナックって……) 菫「おい照。早くしろって」 照「待って」 菫「もう充分待ってるぞ」 照「……ここはめずらしい味のう○い棒にするか……生産中止が決まったポテ○スナックにするか……大事なところ」 菫「両方買えばいいだろ」 照「予算がもうギリギリ」 菫「……籠に入ってるお菓子ひとつ諦めればいいだろ」 照「これはどれも外せない」 菫「はぁ……周りが騒がしくなる前に決めろよ」 照「……悩む」 京太郎「なら、俺が片方買うんで照さんと分けるっていうのはどうですか?」 照「へ?」 菫「は?」 京太郎「あ、俺ポテ○スナックで。後は頼まれた…」 照「え、いや、ちょっと待って……なんで京ちゃんがここに?」 京太郎「いや、うちが泊まってるとこが近くなんで」 菫「……で、君がたまたま買い物に来たと」 京太郎「そうです。ええと、白糸台の部長の弘世菫さん、ですよね?」 菫「知っているのか?」 京太郎「今日やってた2回戦のダイジェスト見ましたから。すごいですね、あの狙い撃ちは」 菫「い、いや。私なんて照と比べたら大したことないさ」 京太郎「弘世さんには弘世さんの良さがありますよ。俺にとっては弘世さんだって大したことある人です」 菫「そ、そうか。真正面から褒められると照れるな……」 照「……菫ばっかり」ボソッ 京太郎「照さん?で、う○い棒はいいんですか?」 照「そうだった……じゃあ、これとこれとこれ。京ちゃんは?」 京太郎「俺は後は頼まれた分だけですからすぐです」 照「じゃ、そこの公園で分けよう」 京太郎「はい」 公園 京太郎「お待たせしました」 照「それじゃあう○い棒から」サクッ 照「…………」プルプルプルプル 菫「……どうした?」 照「あんまりおいしくなかった……」涙目 菫「むやみに新しいもの買うからだ」 京太郎「どれどれ、一口いいですか?」 照「うん。はい、あーん」 京太郎「あーん……これははずれですね」 照「やっぱりコーンポタージュがいい」 京太郎「いやいや、たこやきでしょう」 菫(こいつら自然とあーんから間接キスまでやってのけたぞ……しかもあの照が自然な笑顔とは……すごいな彼は) 京太郎「じゃ、ポテ○スナック開けますね」 照「うん」 京太郎「そういえば、2回戦のダイジェスト、照さんもすごかったですね?」 照「そう?いつものことだから」 京太郎「相手2人を飛ばす勢いだったじゃないですか。さすがチャンピオンですね」 照「むー……京ちゃんにその呼び方して欲しくない」 京太郎「言っただけですって。俺はチャンピオンになったとしても照さんって呼びますよ」 照「うん、そっちがいい」 京太郎「あ、でも3位と4位の子、胸は1位と2位だったな……」 照「…………」ギュッ 京太郎「あいてっ!……そこつねらないで下さいよ。さっき咲につねられたばっかなんですから」 照「いきなりそんなこと言う京ちゃんが悪い」 京太郎「そんなことも吹っ飛ぶくらい照さんがすごかったってことですって」 照「ふん」プイッ 京太郎「俺が悪かったですから。はい、ポテ○スナック」 照「……もらう」サクサク 京太郎「弘世さんもひとつどうですか?」 菫「そうだな、もらおうか。後、菫でいいぞ。照が世話になってたみたいだし」 京太郎「いやいや、昔からやってたことですから」 菫「私は今もだぞ?迷子探しとかこの高校生活で慣れてしまった」 京太郎「俺は現在進行形ですよ?探すのは咲ですけど」 菫「ああ、妹さんか……2回戦、照の妹だと実感したよ」 京太郎「俺も照さんがチャンピオンだって実感しましたよ。よく迷子になってのに」 照「……2人とも、私と咲を何だと思ってるの」 菫「……チャンピオンだがよく迷子になる」 京太郎「……よく迷子になるのに麻雀が上手い」 照「……酷い」 京太郎「でも、麻雀で凄いのは誰もが認めるレベルですし」 菫「ああ。明日も頼んだぞ、チャンピオン」 照「……少し手抜こうかな。リード5,6万点くらいで」 京太郎「充分すごいですよ。あ、明日は俺も会場まで見に行きますよ」 照「!?」 菫「!?」 京太郎「どの学校にも知り合いはいますけど、照さんと菫さんも応援してます」 京太郎「あ、時間なんで俺はこれで。明日、頑張ってくださいね」 菫「……照」 照「……何?」 菫「やる気になるのはいいが、今は抑えろ」 照「…………」ギュルルルルルル 菫「しかし、彼は性格まで良かったのか」 照「……あげないよ?」 前話 次話 つづき はよ -- 名無しさん (2013-06-23 19 40 19) つづきくれーーーーー -- 名無しさん (2013-07-21 15 37 16) はよはよはよ -- 名無しさん (2013-07-29 15 11 38) 続き安価おおくね? -- 名無しさん (2013-07-29 15 11 53) Kちゃんシリーズ 短編でてたのか -- 名無しさん (2013-07-29 15 15 28) 更新してたのにリンクが貼られてないのか -- 名無しさん (2014-04-11 13 52 41) 名前 コメント
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京太郎「(昨日は部員だけで全国優勝の祝賀会)」 京太郎「(当然俺らは未成年だからアルコールはNGなんだけど)」 京太郎「(何故かあったチューハイをジュースと間違えて呑んでしまってからの記憶がない)」 京太郎「(気が付いたらホテルらしき一室のベッドで寝ていた)」 京太郎「(というかなんで……)」 咲「んん……」スヤスヤ 京太郎「咲が隣に寝てんだよ」 京太郎「しかもなんで俺は服着てないんだよ」 京太郎「これはもうアレってことだよな」 咲「う~ん……」 咲「あれ?ここ何処?」メヲコスリ 京太郎「(咲が起きた)」 咲「……京ちゃん……?」 咲「え、あれ、なんで私……え!?」 咲「(なんで京ちゃんとおんなじベッドに!?というかなんで京ちゃん服着てないの!?)」 咲「(って私も裸だし!!)」アタフタ ?「(さてと。今日も朝の日課である咲さんの携帯にこっそりつけた盗聴器etcのチェックを)」 ?「あれ?GPSの反応が宮永さんのお宅ではありませんね」 ?「ここはたしか……駅前のラブホテル……」 ?「……まさか!」 ?「……あの男の反応もここから……」 ?「…………ソンナオカルトアリマセン」 ?「(さてと。今日も朝の日課である咲の携帯にこっそりつけた盗聴器etcのチェックを)」 ?「おや?GPSの反応が実家じゃない」 ?「ここはたしか……駅前にある……」 ?「ど、どういうこと……そうだ。このラブホテルの監視カメラをジャックして相方の有無をチェックしなきゃ……」 ?「……この金髪は確か……」 ?「須賀京太郎……」 ?「……貴様の誕生日なんか知らないけど命日は今日だ」ギュルギュル 京太郎「」 咲「」 京太郎「」 咲「」 京太郎・咲「「あの!!」」 京太郎・咲「「……」」 京太郎「……さ、先にどうぞ」 咲「う、うん」 咲「あのさ京ちゃん……これってつまり……そういうことだよね」 京太郎「ああ(覚えてないけど多分)」 咲「そっか」 咲「エヘヘ、そうなんだ///」 京太郎「(かわいい)」 咲「京ちゃんあのね……私……こういうこと初めてであのね」 咲「……責任……取ってよね」 京太郎「え、ああ、あのな、その……」 咲「」 京太郎「……こ、こちらこそよろしくお願いいたします」 咲「わ、私お風呂入ってくるね!!」バタバタ 京太郎「お、おう」 京太郎「(これで俺も大人の階段上っちゃったのか)」 京太郎「」 京太郎「古い~アルバムの中~に~♪」 京太郎「(あ、シーツに血が着いてる。追加料金とか取られたりすんのかな?)」 咲「」チャプン 咲「」 咲「///」 咲「~~~~~~~~~///(声にならない喜声)」 咲「(どうしようどうしよう!!)」 咲「(私と京ちゃんが…………~~~~~~///)」 咲「(えっとまずは和ちゃんに報告して、部長達にもちゃんと言った方がいいかな)」 咲「(あとお姉ちゃんにも)」 咲「」 咲「須賀咲」ボソッ 咲「エヘヘ///」 京太郎「手に届く宇宙は~ふふんふふんふん~ふんふふん~」 京太郎「そういやこういうところのテレビってアダルトチャンネル見放題って漫画で読んだことあったな」 京太郎「暇だし観るか」 京太郎「」ポチットナ 松本アナ『──次のニュースです』 京太郎「普通のも観れんだ」 松本アナ『──本日未明、東京都○○区白糸台において巨大な竜巻が発生しました』 松本アナ『幸い怪我人はありませんでしたが、周辺住民が一時避難するなどの──』 京太郎「白糸台って照さん達のとこだよな。心配だな」 松本アナ『──CMの後は針生アナのコーナー。今日のお題はアンコ入りパスタライスです』 京太郎「とりあえず咲が風呂を上がるまえに服着とくか」ゴソゴソ 咲「上がったよー」 京太郎「おう」 咲「あれ?京ちゃん服着ちゃってるけどお風呂入らないの?」 京太郎「おう」 京太郎「(って咲、服着ちゃったのか)」 京太郎「(一旦バスローブ挟んでの着衣とかがよかったな)」 京太郎「(でも濡れ髪の咲ってなんか色気あるな)」 咲「ねえ京ちゃん」 京太郎「なんだ」 咲「はい、これ」ポス 京太郎「ドライヤー?」 咲「うん」 咲「ずいぶん前に見たドラマなんだけどね。女の人が恋人に髪を乾かしてもらってるシーンがあってね」 咲「ずっとそのシーンに憧れてたんだ///」 咲「……ダメかな」ウワメヅカイ 京太郎「(もう反則だろこれは)」 京太郎「おまかせあれ!!」 京太郎「ほら乾いたぞ」 咲「ありがとう京ちゃん」 京太郎「(あの∠はいくら撫で付けても直らなかったけどどうなってんだ炉)」 京太郎「そろそろチェックアウトの時間だな。もう出るか」 咲「そうだね」 京太郎「忘れもんとかするなよ」トビラアケ 久「たまにはこういうところでするのも新鮮で良かったわね」ツヤツヤ ゆみ「あ、ああそうだな」グッタリ 京太郎「」トビラシメ 咲「どうしたの京ちゃん。忘れ物?」 京太郎「あ~いや!!その、もう一○分だけ出るの待とうぜ!!」 咲「?」 京太郎「そろそろ出ても大丈夫かな」 咲「なんのこと?」 京太郎「いや、こっちの話」 咲「?」 京太郎「それよりここ出たらどうする?今日は休日だしどっか行くか?」 咲「え」 京太郎「あ~もしかして身体がダルかったりするか?その……初めてだったんだろ」 咲「あ///」 咲「ぜ、全然大丈夫、元気だよ///」 京太郎「じゃあ何処行こっか」 咲「う~ん」 咲「……京ちゃんと一緒なら何処でもいいよ///」 京太郎「///」 京太郎「(やばい、今俺にやけてめっちゃキモい顔になってるだろうな)」 京太郎「それなら水族館にでも行くか」 咲「CMでやってた新しく出来た水族館?」 京太郎「ああ。この辺から近いし、家からもそんなに離れてないしな」 ~~水族館入口~~ 咲「私水族館って初めてだよ!!」 京太郎「へえそうなんだ。なら水族館にして正解だったな」 咲「うん!!」 咲「あと、京ちゃんと一緒に二人きりで出掛けたことは何度もあるけど、あくまでも友達同士だったし」 咲「こんな風にちゃんとした『デート』って感じのは初めてだよね」 咲「だからそれも嬉しいかな」ニコッ 京太郎「……可愛い」 咲「えっ///」 京太郎「(思わず声に出ちまった)」 京太郎「学生二枚です」 受付「かしこまりました」 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「ん?」 咲「本当に私がお金出さなくてもいいの?」 京太郎「気にすんなって。初めてのデートでくらい見栄張らせてくれよ」 咲「でも……」 京太郎「あ、そうだ咲」 咲「なに?」 京太郎「手……繋いでいいか」 咲「……うん」ギュッ 京太郎「何処から回る?」 咲「あっ、京ちゃんちょっと待って」 京太郎「ん、どうした?」 咲「その、私……ちょっと……」 京太郎「?」 京太郎「あ、トイレか」 咲「はっきり言わないでよ馬鹿///」 京太郎「わりぃわりぃ」 京太郎「(咲のトイレ待ちか)」 京太郎「(へえ、ここイルカショーとかもあるんだ。海水とかどうしてんだろ)」 京太郎「(ん?あれは…………)」 久「可愛いわね」 洋榎「な!?突然何言うてんねん///」 久「あら、イルカのことよ。いったい何と勘違いしたの?」 洋榎「へ?あ、いや、その……」 久「冗談よ。貴女も可愛いわ」クスッ 洋榎「……アホ///」 京太郎「(……多分あの人が死ぬときは背中刺されて死ぬんだろうな)」 咲「ただいま」 京太郎「おかえり」 京太郎「じゃとりあえずパンフレットに乗ってる順路通りに回ってみるか」 咲「うん、それでいいよ」 京太郎「イルカショーとかペンギンとのふれあいコーナーとかもあるらしいぞ」 咲「ペンギンかぁ~。和ちゃんなんか喜びそうだね」 京太郎「いつもエトペンを抱いてるしな」 ~~水族館入口~~ 照「GPSによるとここが咲たちのいる水族館か」 照「いかがわしいホテルに宿泊したからといって必ずしも『そういうこと』に及ぶとは限らない」 照「私の照魔鏡の能力でそこのところをはっきりさせなければ」 和「あら、お義姉さんじゃないですか」 照「お前は……」 和「咲さんと同じ麻雀部の原村和です」 照「そうだったな」 照「それよりその『お義姉さん』というのはなんだ」 和「友人の姉を『おねえさん』と呼ぶことになんの不思議が?」 照「(何となく分かる。コイツは敵だ)」 和「そんなことよりも!!」 照「!?」 和「お義姉さんもあの二人を追い掛けて来たんですか?」 照「ああ」 和「私も同じです」 照「あわよくば……」 照・和「「あの男を消す」」